第21話 サムダンジョン 海編③
翌朝、8階層へ向けて出発した。
また海の中だ。
潜水を起動し、海へ潜った。
階段を降り、8階層へ足を踏み入れると何かが急接近する気配を感じた。
『何か来るぞ!!』
50m先でその何かが止まった。
どうやら3体いるらしい。
大きさは3m程度でサメっぽいシルエットが見える。
*鑑定
名称: 知りたがりドルフィン
ランク: B
特技: 頭脳明晰、鑑定、超音波、ジャンプ、突進、念話、水魔法
ドロップ: 魔石、
どうやらイルカらしい。
ピンクの子が2頭と、その子たちよりちょっと大きいブルーの子が1頭。
何やらキュウキュウと会話をしながらゆっくりと近づいてくる。
襲ってくる気配は無く、敵意は無いように見える。
『敵じゃ無いっぽい?』
『何かすごく見られているわね。』
『興味深々って感じですね。』
『君たちはヒューマンだよね? 初めて見た。』
『うわぁ、びっくりした。念話が使えるんだね。俺たちは確かにヒューマンだよ。』
『いらっしゃい。君たちのことをいろいろ教えて欲しいんだ。』
『敵対しないってことで良いのかな?』
『もちろん。君たちのステータスはもう確認済みだよ。俺たちには勝ち目は無いから敵対なんかしないさ。それよりも君たちのことを教えてくれよ。』
『じゃあ、教えてあげるから案内をお願いしても良いかな? 俺たちは最深部のダンジョンコアに用かあるんだ。』
『構わないけど条件があるよ。案内する代わりに上層にいるアンチョビーを獲ってきてくれないかな? ちょっと前に発生したスタンピードの時には上層へ上がることができてね。その時に食べたアンチョビーの味が忘れられないんだ。』
『今持ってるけど、食べるかい?』
『本当かい?! それをもらえるなら仲間になっても良いよ。君たちも良いよね?』
後ろにいたピンクの2頭が頷いた。
『仲間になってくれるなら有難い。じゃあ、テイムするね。ブルーの君の名はジョニーだ。後ろの子はマリンとナギサね。よろしくね。』
3頭のイルカは光に包まれ、俺との絆が結ばれた。
『俺とジョニー、エミリーとマリン、エルザとナギサでペアになろう。』
それぞれがペアとなり、イルカに跨った。
『振り落とされないようにしっかりつかまっててね。キュイー!』
ソナーのように超音波を発射し、周囲を探知しているそうだ。
敵を察知したらしく、急旋回し敵へ向かった。
早い! これなら攻略スピードが格段に上がるだろう。
あれか? 大きいな。
*鑑定
名称: ヨロイフグ
ランク: C+
特技: 絶対防御、毒牙、毒針
ドロップ: 魔石、毒針、骨格、フグ肉(無毒)
トゲだらけのハコフグに似た魔物が見えてきた。
発達した前歯と体中に生えている針に毒があるようだ。
さらに近づくと毒針が飛んできた。
華麗に毒針をかわすイルカたち。
ジョニーたちに会っていなければ今頃毒針の餌食になっていただろう。
そして、すれ違う瞬間に俺は剣を振り下ろした。
フグの全身の毒針が逆立ち光った。
俺の剣は金属音とともに弾かれた。
絶対防御というスキルを発動したようだ。
絶対防御: 物理攻撃を一切受けなくなる。
『奴が光ったら固くなるんだ。だから剣なんかじゃ斬れないよ。こいつはこうやって倒すんだよ。』
同じフロアにいるジョニーはいつも戦っているから知っているのだろう。
ジョニーは正面に向かい口から超音波を放出した。
ボール状になった超音波の塊は真っ直ぐフグの口に向かって飛んでいく。
防御に自信があるフグは動こうとしない。
前歯に当たり歯が砕け散った時には既に遅い。
絶対防御を発動しても開いた口から体内へ入ってしまい、内部から超音波で破壊される。
連続した超音波と水魔法が叩き込まれ、しばらくすると逆さになり煙となって消えていった。
ドロップアイテムが海底に沈んでいく。
『わかった? あいつら口が閉じないんよ。それに体内は防御できないからね。だから前歯を砕いちゃえば簡単なんだ。』
『なるほどね。あっ! 忘れてた。サーチ&マップ。』
*ダンジョン鑑定
場所: サムダンジョン 8階層
フィールド: 海底
宝箱: 3個
魔物: 知りたがりドルフィン B
ヨロイフグ C+
突撃マグロ C
大剣イカ C-
索敵範囲は俺の方が広いのでジョニーを誘導し、魔物を殲滅していく。
*鑑定
名称: 突撃マグロ
ランク: C
特技: 突進、突き刺し、水砲
ドロップ: 魔石、
群れをなし、魚雷のように突進してくる1mはあるマグロ型の魔物。
上顎はカジキのように尖り鋭い。
簡単に鎧を貫通してしまいそうだ。
それに遠隔攻撃の口から放つ水の大砲は当たれば無傷ではいられないだろう。
だが、ジョニーたちは問題無くかわす。
俺たちは武器や魔法で応戦し蹴散らした。
そして、ドロップされる魚が素晴らしい。
刺身で食べたい!
海鮮丼も良いな。ジュルリ。
*鑑定
名称: 大剣イカ
ランク: C-
特技: 触手、毒牙、水刃
ドロップ: 魔石、ヤリイカ、スルメイカ、コウイカ
胴体にあるヒレ(エンペラ)にあたる部分が剣になっているイカ型魔物。
水刃のスキルを発動すると剣の部分が光り、胴体を振り回し斬撃を飛ばしてくる。
近づくと触手を伸ばし、絡み取ろうとしてくるので接近戦も危険だ。
『あいつの弱点は、あの大きな目だよ。』
『ありがとう。アイススピア!』
氷の槍が目-脳-目と貫いた。
今までの苦戦がウソのようにあっけなく倒せてしまった。
『エミリーも目を狙ってくれ。』
『わかったわ。』
これでイカの群れも殲滅完了。
イカそうめん、イカ焼き、一夜干しにして軽く焼いてマヨネーズも良いな。
『この階層は殲滅完了だ。9階層へ向かおうか。ところでジョニーたちは9階層へ行けるのか?』
『今はダンジョンの支配から外れ、ケルビンの眷属のようになっているから多分大丈夫じゃないかな?』
『じゃあ、行こうか。マリンとナギサも行くよ。』
『は~い。』
1時間ぐらいで8階層を攻略し、9階層へ向かう。
やはりイルカたちのおかげで移動速度が上がったことで攻略スピードが格段に上がった。
そして、問題無くイルカたちも階層間の移動ができた。
*ダンジョン鑑定
場所: サムダンジョン 9階層
フィールド: 海底
宝箱: 4個
魔物: 大王タコ B
ダークシャーク C+
9階層は、フロアボス的な大タコと無数のサメのみのようだ。
*鑑定
名称: ダークシャーク
ランク: C+
特技: 噛みつき、連帯、水魔法、闇魔法
ドロップ: 魔石、サメ歯、サメ皮、サメ肉
サメ肉は、確かかまぼこが作れるって健一のときにTVで見た記憶があるな。
サメ皮でワサビをすっているところも見たような。
とにかく、Cランクの魔石はミーちゃんとの取引に使えるので大量に得られるのは有難い。
しかし、闇魔法のデバフ(状態異常)が地味に厄介だ。
攻撃力、防御力、速度低下や魅了、毒、麻痺、睡魔等、様々なデバフが飛んでくる。
闇魔法を覚えたり、耐性が付くのは良いのだがウザい。
そして、どんどん周囲にいたサメたちが集まってくる。
イライラしてきたエミリーが魔力を練り始めた。
これは特大の範囲魔法が来るな。
『ジョニー、マリン。すぐ撤退だ。エミリーの特大の魔法に巻き込まれるぞ。』
エミリーの後ろへさがった瞬間、特大の魔法が放たれた。
『トルネード! アイスニードル! ストーンバレット! トルネード!!』
石や氷を巻き込んだ巨大な竜巻がサメの群れを襲う。
さらに重ね掛けし、どんどん大きくなる渦。
渦に巻き込まれたサメは石や氷がぶつかりボロボロになって消えていく。
『ふぅー。スッキリした。』
『ケルビン。エミリー嬢は怒らすと怖いのだな。マリンとナギサもエミリー嬢を怒らせないように注意するんだぞ。特に一緒にいるナギサ。』
『うん。。。 分かったわ。』
『私は優しいわよ?』
『・・・。』
サメが全滅したので残った大タコの元へ向かった。
Cランクの魔石が100個以上手に入った。
ポーターをクビになった俺は2度目の転生を経て最強になりました 蒼い空 @sky_blue
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ポーターをクビになった俺は2度目の転生を経て最強になりましたの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます