第5話 神様と再会
「エミリーちゃん。とても楽しそうね。お邪魔だったかしら? 査定が済んだのだけど、もう少し待ってようか?」
エミリーが真っ赤になっている。
「これから教会にも行かなきゃならないからすぐに査定結果を聞かせてほしい。」
「わかったわ。」
★ケルビン様納品 査定結果
・スライムの魔石 120個 : 1銅貨×120=120銅貨
・ホーンラビット 50羽 : 5銅貨×50=250銅貨-解体料25銅貨=225銅貨
・ワイルドボア 20体 : 10銅貨×20=200銅貨-解体料20銅貨=180銅貨
・ゴブリン 30体 : 5銅貨×30=150銅貨-解体料15銅貨=135銅貨
・ウルフ 30体 : 10銅貨×30=300銅貨-解体料30銅貨=270銅貨
合計 930銅貨=93銀貨
ちなみは通貨は下記のようになっている。
1鉄貨=1G
1銅貨=100鉄貨=100G
1銀貨=10銅貨=1,000G
1金貨=10銀貨=10,000G
1白金貨=100金貨=1,000,000G(100万)
1虹金貨=100白金貨=100,000,000G(10億)
白金貨以上は、貴族階層が使う硬貨で一般人は目にすることも無いそうだ。
単位はG(ゴールド)である。
リンゴ1個が100Gなので、1Gは約1円ぐらいだろうか。
一般人の食事は1食3~5銅貨、素泊まり宿が2銀貨程度が相場らしい。
その町の物価や治安で多少の変動はあるそうだが。
今日だけで93銀貨の稼ぎは駆け出し冒険者にしてはかなり良い稼ぎだ。
エミリーは驚いていた。
エミリーも6体分のウルフで6銀貨を得た。
そこからウルフの肉を1体分買い取った。
「ケルビン、教会へ行きましょう。」
「ああ、わかった。それではスーザンさん、失礼します。」
「はい。職業とスキルが分かったらこっそり教えてね。」
「いや、秘密です。」
エミリーと一緒に教会へ向かう。
教会まではそれほど離れていなかった。
「ここが教会よ。隣には私が育った孤児院があるの。私はちょっと用事があるから孤児院へ行ってきても良いかしら?」
「構わないよ。俺は祝福を受けてくるよ。」
エミリーは先程手に入れたウルフの肉を孤児院に届けるのだろう。
俺は一人で教会へ入った。
三角屋根で屋根のてっぺんには十字架。
いかにも教会という建物に入った。
中に入ると礼拝堂のようになっていて長椅子が並んでいた。
さらに正面には祭壇があり、その奥に女神像が立っていた。
「ようこそ、ザザヤの教会へ。お祈りでしたら奥の祭壇までどうぞ。」
20代ほどの若いシスターに案内された。
「創造神アリエス様に御祈りください。」
「えっ? アリエス様って女神だったのですか?!」
俺の勝手な思い込みだが、髭の長いおじいさんを想像していた。
転生前に見たアリエス様は人影だけだったし、口調がおっさんだったし。
と失礼なことを思いながら祈りを捧げた。
『神託発動』
転生前にアリエス様と会った空間に飛ばされた。
「もう来たのか。早くないか? まだ半日しか過ぎてないぞ。でも、無事転生できたようで安心したぞ。よく戻ったな、我が使徒ケルビンよ。って、おい! おっさんとは何だ! まあ、良い。儂には性別がないので女神でもないのだがな。」
「すいません。勝手におじいちゃんやおっさん扱いしてしまって。ところで、今回は職業を頂いて無かったので伺いました。」
「そう言えばそうだったな。希望はあるか? 儂の使徒だからやはり勇者が良いかな。」
「いやいや。勇者なんて厄介事に巻き込まれる未来しか無いですよ。それに勇者は千聖さんがいるじゃないですか。」
「そうか? でも、相棒は魔法使いだろ。ならバランスから前衛の方が良いのではないか? さらに仲間を増やすという選択もあるが。」
「そうですね。って、エミリーのことを知っているのですか? さすが神様ですね。やはり勇者しか無いのですかね。例えば表向きは剣士で本当は勇者なんてことできますかね?」
「できなくもないぞ。隠蔽というスキルを使えば良い。それよりも職業を自由に変えられるマルチジョブの方が良いか。職業によるステータス補正があるからそっちの方が良いだろう。それとお前の相棒にも儂の加護を授けてやるから後で連れてこい。」
「ありがとうございます。それにしても今回の人生は強すぎませんか? ちょっとチートすぎますよね?」
「時間が無いのじゃ。早く千聖を救ってくれ。邪神が完全に復活し、暴れ出す前に。そして、千聖の力になってやってくれ。」
「わかりました。私も千聖さんとともに邪神と戦うことになるのですね。死なないように強くなります。」
意識が教会に戻った。
「大丈夫ですか!」
「はい? 大丈夫ですよ?」
「今、身体がもの凄く光りましたけど? あれ? 平気そうですね。でも、一応ヒール(治癒魔法)しておきますね。」
俺の身体が温かい光に包まれた。
『「光魔法」を獲得しました。』
これが魔法を受けて魔法を覚えるってやつか。
思いがけず、光魔法を獲得できた。
「ケルビン、祝福は得られたの?」
「うん、無事済んだよ。エミリーの用事は終わったの?」
「終わったわ。」
「あら、エミリー。お帰りなさい。元気そうね。」
「はい。お久しぶりですね、シスターメイ。彼は私とパーティを組んでるケルビンです。」
「そうなのね。ケルビンさん、エミリーのことをよろしくお願いします。」
「はい。俺は命を懸けてエミリーを守るつもりです。」
「ウフフ。良かったわね、エミリー。」
エミリーは真っ赤になってモジモジしていた。
エミリーとシスターが会話している隙に自分のステータスを確認してみる。
*ステータス
名前: ケルビン
称号: 創造神アリエスの使徒、Fランク冒険者
職業: 無職▽
性別: 男
年齢: 15歳
レベル: 7
HP: 250
MP: 170
STR: 150
INT: 75
DEF: 80
AGI: 160
DEX: 120
Luck: 500
スキル
インベントリ、鑑定眼、サーチ、気配遮断、身体強化・小
戦闘スキル
剣術
魔法スキル
生活魔法:ファイア、ウォーター、ウィンド、ライト、クリーン
初級光魔法:ヒール(治癒)、キュア(治療)、ホーリーアロー(聖なる矢)
生産スキル
採取、錬成術、錬金術
ユニークスキル
創造神の加護、強化、神託、マルチジョブ
職業の枠が増えていた。
無職って。。。
なんか心が痛い。
健一が失業した時に受けた心のキズが蘇る。
無職の隣にあった▽を意識すると職業が現れた。
無職▽(勇者、剣士、魔法使い、回復師、薬師、錬成術師、錬金術師)
とりあえず、当たり障りのない剣士にしておいた。
「エミリー。アリエス様に御祈りを。」
「はい、シスター。」
エミリーは跪き、祈りを捧げた。
するとエミリーの身体が目を開けていられないほど光り始めた。
「エミリー!!」
これは驚くわ。
俺もこんなに光っていたんだろうな。
シスターメイが絶叫していた。
「あれ? 夢かしら? アリエス様に会っちゃった? ねえ、ケルビン。あなたは使徒様なの? アリエス様からあなたを支えてくれって言われたわ。」
「そうか。エミリーに加護を授けるって言ってたからステータスを確認してみてくれ。」
*ステータス
名前: エミリー
称号: 創造神アリエスの使徒、Fランク冒険者
職業: 魔法使い
性別: 女
年齢: 15歳
レベル: 5
HP: 80
MP: 200
STR: 30
INT: 150
DEF: 30
AGI: 30
DEX: 120
Luck: 80
スキル
魔力操作、魔力感知
戦闘スキル
棒術
魔法スキル
初級水魔法:ウォーターボール
生産スキル
解体、採取
ユニークスキル
創造神の加護(成長促進、全魔法適正)、神託
「えええ! 私も使徒様になっちゃった。どういうこと? ケルビン、説明を求む!」
「晩飯の時にゆっくり説明するよ。」
「うん。わかった。じゃあ、シスターメイ。またね。」
放心状態のシスターを置いて教会を出た。
えっと、エミリーは楽観的で短絡的な性格のようだ。
「次は道具屋ね。ポーションの小瓶を買いに行かなきゃね。」
濁ったガラスの小瓶は一本が1銅貨もした。
*鑑定
名称: ガラス瓶・小
用途: ポーション等の液状薬品を入れる
特徴: 不純物が多く濁っているガラスの小瓶。
品質保持の魔法陣が刻まれており、若干長持ちする。
とりあえず、10本だけ購入した。
自分で作れそうな気がしたからだ。
「日も暮れてきたし、宿に向かいましょう。」
「そうだね。今日は疲れたからゆっくりしたいよ。」
エミリーが長期契約している宿屋へ向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます