第三会場

 というわけで「第十六回書き出し祭り 第三会場タイトル感想」です。

 

 私が初めて書き出し祭りに参加した第13回。自作のタイトルが並んでいたのは第三会場でした。ほへー、としか言えないすんごい作品の中に自分の作品が並んでいるのは嬉しかったですね。


 ちなみにこのページではタイトル感想を書いていますが、もし「あらすじ感想も……」という奇特な方や、「タイトル感想もご遠慮願いたい」という方がいらっしゃったら、お手数ですが私のプロフィール欄にあるマシュマロURLから教えてください。

 消したり、追記したりします。




↓↓↓以下、第三会場タイトル感想です。個人の感想です。その時の気分で色々妄想しています。



『3-01 あの夏に君がいる』


 爽やか! でも訳あり感がすさまじい。

 「あの夏」ということは、追憶の中、もしくは未来の「君」に関わるお話でしょうか。シンプルだけど様々な可能性を秘めた素敵なタイトルです。



『3-02 毎日僕をイジメていたガキ大将の男の子がTSしました。』


 ツンデレヒロイン登場ですね。ガキ大将時代のいじめの度合にもよりますが、大抵の場合ツンデレヒロインとはうまいこといきますので(先入観)、安心して読み始めようという気持ちになりますね。



『3-03 ルゼの喝采、あるいはファランディールの偽典』


 ここで示された「偽典」とは宗教関連ではなく、不確かなものという意味合いで捉えました。そうすると「喝采」と「偽典」、対照的な二者の立場をそれぞれの視点から見たお話かなと想像。

 戯曲のようで最高に好きなタイトルなのです。はよあらすじ本文ください。

 


『3-04 呪われた厄災令嬢は幸運王子の【お守り】です!〜外堀陥没で溺愛ルートのできあがり〜』


 溺愛ストーリー好きです!! 幸運と呪いが相殺するから王子はノーダメなのかしら。ハピエン厨ホイホイのタイトルですね。本棚に並んでいたらホイホイつられて読みに行きます。



『3-05 家出王子の世直し旅 〜幼女剣聖を添えて〜』


 「幼女剣聖」というワードの強さ……。かわいくて強いって最高じゃないですか。その一方で家出王子の存在感が食われてしまう。頑張れ王子!



『3-06 自律式可動人形のとっておき』


 たまたまバレエ演目のコッペリアを見たばかりなので、そちらのイメージに寄ってしまいます。「とっておき」って表現が愛らしいですね。



『3-07 ドヤ街からの異世界進出 ~手配師から侯爵兼副社長へ~』


 きっとこれは異世界転生のお話でもあり、お仕事小説でもある作品ですね。「ドヤ街から」という所が斬新ですね。経験を異世界でどう生かすのでしょう。面白そうです!



『3-08 Boy Meets Hemorrhoids』


 おお、これが話題の……。恋人が痔主様な話かなとも思ったのですが、全年齢では難しいかな。ガチガチの医療小説だったらどうしましょう。あらすじ待ってます!


《あらすじ感想 9/12追記》

 痔主は主人公でしたね。あらすじ段階でもまだはっきりとは描かれていませんが、ジャンルは恋愛! この作品は愛の話だと思うのです。本文公開で全く違うジャンルだとわかったら間違いなくひっくり返っちゃいます。

 痔に注意を引かれがちですが、この短いあらすじで作品の季節が予想でき、さらに少年が「アイツ」と約束を交わすという行動が読み取れます。これだけで青春の風が吹き込んで来ますね。

 「紅の約束」がキーワードだと思うのですが……。その文字列から性的な香りは感じられないのできっと純粋なワードですね。夕日の比喩か、かき氷(いちご味)か。相撲のまわしとか……。


≪本文感想 9/23追記≫

 全然予想と違いました。作者様失礼しました。ちゃんと痔の話でした。でも愛の話、しかも激重の愛ですね(しつこい)。「紅の約束」という言葉を美化していたのは、「痔」というセンシティブなワードから生物学的な方面への連想を無意識に避けていたからでしょうか。とはいえ、思わず避けたくなるような痔の描写を読ませてしまう文章力ですよ……勉強になります。

 ジャンルで言えばホラーになる作品なんですかね。本文から予想するに細胞レベルで主人公に寄生?宿り、機を狙っていたっていうのはかなり怖い……。

 そしてラストシーンはとても驚きました。「まさかそこから?」という感想です。ここからどこに向かうのでしょう。まさかヤンデレ年下彼女との体内同居?が始まるとか(同居というのか?)? それとも新たな肉体を生んでしまうのか……。作品をどのジャンルで捉えるかで、今後の展開への期待が変わってくる作品だなと思いました。

 タイトル段階で注目していた作品でした。とても面白かったです!

 蛇足ですが、拭いた時にぬるっとした感触があるのなら下痢かもしくは便粘液に血液が混ざっている可能性があるのでは? 潰瘍に要注意です。 だってねえ、切れた時の血はさらっとしてますからねえ……。ねえ?


 最後に……。

 以下はただの深読みオタクの戯言になるので、興味がなければ読み飛ばしてください。この度はありがとうございました!



↓↓↓

(以下、性に関する表現もありますゆえ、ご容赦ください)


 精神分析で有名なS.フロイトの『心理性的発達理論』(調べるといっぱい出てきます)を思い起こしてしまう作品でした。


 『心理性的発達理論』は彼の提唱した人の発達段階についての理論で、人間の発達はリビドー(性的エネルギー=生命活動、心的活動の根本)の発達によるとしたものです(だいぶおおまかですが)。

 そしてその各発達段階に欲求がうまく充足できないと固着が生じる場合があり、性格特性や現在の症状に影響を及ぼす、という説です。フロイトの発達段階は五段階あり、口唇期、肛門期、男根期(エディプス期とも)、潜伏期、性器期です。

 こちらの作品を上記理論を念頭に読めば、口唇期、肛門期、そして男根期のテーマを読み取ることができるように思います。


 まず冒頭。「僕」を「お兄ちゃん」は取り込んでくれたんですよね。「口」から。

 私はこの部分を本来の立場とは置き換わるものの、「僕」の口唇期的な欲求充足であり、「僕」の潜在的な欲求を満たしてくれた「お兄ちゃん」との深い繋がりを表している場面だと感じました(繋がりというよりは子が親を求めるような激重感情かも)。

 次は痔です。無意識に便を硬化させてしまう(溜めてしまうとも言える)肛門期固着による「俺」の症状として現れます。「痔」という何かにコントロールされている、もしくはコントロールされる今後を予感させる暗喩かと……。

 そしてラストシーン。肛門から姿を表した存在は男根のように感じます。この場面で連想できるのはきっと生物学的には女だった「僕(=薫)」が持つ男根、そして「俺」の体験する破瓜をも思わせる痛みと出血です。「俺」へ異常なまでに執着している「僕」は、「俺」と一体化し、コントロールできるようになる日を待っていたのでしょう。

 この一連の描写によってもともと「アイツ」と呼ばれ、どちらかと言えば目下の存在だった「僕」がはらむ攻撃性や非道徳的な性格になっているであろうことが想像されるので、去勢された「俺」(牙を抜かれた、みたいな感じ)が被支配的な存在になっていく……という今後の展開への予想が生まれるわけです……。


 以上です。なんか書いてみたら浅くて詳しい方に怒られそうですね。すみません。読んでいただけていたならありがとうございます。




『3-09 走れ、敗者復活線!』


 廃線間近の鉄道が舞台だと予想!(赤字路線がどうこうと、最近新聞で見たので引きずられている)

 鉄道会社の社員さんが東奔西走するお話ではないかしら。完全なる妄想ですが。



『3-10 ねこ ~未知なる王国を目指して~』


 わ〜ねこちゃんだ〜!

 でも絶対ねこちゃんじゃないはず。わたしゃ騙されませんよ。うーん、でもねこちゃんであってほしい。



『3-11 レディ・プリンスは偽りだらけ』


 ほんとに「レディなの? プリンスなの?」なタイトルですね。偽りばかりのご令嬢が恋をして、自分を見つけていくお話を想像しました。



3-12 耳なしウサギと硝煙と彼女の夢が覚めないうちに


 ハードボイルドな香りがしますね。「耳なしウサギ」と「硝煙」の組み合わせの醸し出す狂気が雰囲気満点です。



『3-13 三文小説家、華の帝都の闇に墜つ』


 うーん、これはミステリーでしょうか……。知りすぎてしまったがゆえに? でも「墜つ」だからなぁ。ポカンと空いた闇に物理的に落ちてしまったファンタジー感も否めません。あらすじを待ちます!



『3-14 ネイビーカラード・モダンガール』


 ここで「ネイビー」が意味するのは海軍の意味かなと思います。海自オタの女の子が実際に入隊する話とか、はたまた過去にトリップする歴史ファンタジーか……。わくわく。



3-15 偽神殺しは祈らない


 「偽」がどこにかかるのかで意味が変わりますね。「偽・神」なのか「偽・神殺し」なのか。現代を舞台にしたファンタジーだと私が喜びますね。



『3-16 さっさと死んどけクソ野郎〜探偵の口が思っていた以上に悪すぎる〜』


 口わるっ! そして「さっさと死んどけクソ野郎」の語呂の良さ。しかしこれで探偵稼業が務まるのか心配ですが……。相方がいるなら胃薬渡したいですね。


『3-17 皇后筆頭候補(代理) は、“粛正皇帝”の最愛を求めない。』


 皇后候補の筆頭であるやんごとなきお方の代理として、危険な皇帝の元に赴く主人公のお話ですね。粛清皇帝とは何やら物騒ですが、興味をそそられるタイトルです。


《あらすじ感想 9/14追記》


 代理、というのはそういう意味だったのですね。

 主人公の性格を示してくれて(リーザ=頭の回転が早く、肝が据わっている女性……と私は読みました)、皇后選定で巻き起こる問題を解決していく物語なんだろうな、という期待を抱けるわかりやすいあらすじだなと感じました。

 加えて本物の皇后の正体について、主人公だけではなく読者もあれやこれや推理できる楽しみも示してくれています。早く読みたいです。楽しみ~。

 あと、個人的に気の強いご令嬢は好きです。きっと皇帝と気が合うのではないでしょうか。


《本文感想 9/26追記》

 リーザが強い、素敵! そして二つ名まで持っているとは。あらすじ感想でも書きましたが主人公がどういう性格なのかがわかると、物語に抱く期待度が高まりますね。

 そして皇后候補(代理)として主人公が巻き込まれていくであろう問題についてのやり取り。ここでハッと思ったのですが、もしかしてリーザのヒーローは皇帝ではない? というか恋愛ジャンルでは無い?! で、あれば作者様大変失礼しました……。

 というのも、リーザの性格もあるのでしょうが、二人のやり取りが対等かつ業務的で、これは恋愛には発展しなさそうだぞ……と思ったわけです。書き出し段階では、どちらかと言えばヒルデやヒルデの父親絡みの事件が大きく扱われそうだなと思いました。さらにメインテーマである「皇后(本物)」の正体についても同様です。

 うーん、でも恋愛ジャンル好きとしては、皇帝とリーザの関係発展に期待したいですが、どういう展開でも読みます。続きをぜひお願いします!

 素敵な作品をありがとうございました。



『3-18 猫⭐︎ファイブ・ギア・ファイブ!〜地域猫活動と猫嫌いな俺〜』


 おや、またねこちゃん。こちらは現代が舞台ですね。猫嫌いなのに、なぜ地域猫活動なのかが見せどころの作品と想像できます。



『3-19 婿入りの宴』


 因習の香り漂う簡潔なタイトルだと感じました。「婿入りの宴」なんて本来なら喜ばしいことなのに、作品のタイトルにすると途端に不穏な空気を発しだすのはなぜでしょう。



『3-20 ゴミの王vs透明人間』


 どちらも比喩表現で、世の中から見捨てられた人たちを束ねる人物と、無視されたままでいいという人物が交流しながら心を通わせていくお話かな、と思いました。



『3-21 駄菓子屋主人のエテルナちゃん』


 これは間違いない。転生幼女店主ですね。私は知ってるんだ。お菓子メーカー勤務のOLが異世界転生するんですよね。ちなみに全て想像です。



『3-22 油彩『或る女の屍』』


 サスペンスホラーの香りがしますね。純文学よりな印象も受けます。あ、でも油彩ですし、「或る女の屍」から取ったアレをああしてこうして、ペタペタ……とか?



『3-23 底辺探索者の逆転成り上がり 古代遺跡から最高のメイドロイドを手に入れて』


 最高のメイドロイド……(ごくり)。科学技術が失われた世界なのでしょうね。メイドロイドがどんな個性的な存在なのか、あらすじ、本文公開が楽しみな作品です。



『3-24 影の令嬢は、しらない間に愛をしる』


 しっとり読ませてくれそうなタイトルです。「しらない」と「しる」に漢字をつかわなかった辺り、作者様のこだわりなのでしょうね。



『3-25 星降る夜に嘘をつく』


 美しいタイトルだなと感じます。同時にもの悲しさも感じられるのは「嘘」をついてしまうからですね。私は「星には素直な願い事をするものだ」と思って過ごしているので。




 以上、第三会場のタイトル感想です。私の妄想全開なので「これはちょっと……」という部分があれば、遠慮なくマシュマロでご連絡ください。

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