2023年6月11日 お礼と新田先生の解説と混ざる

【御評価等御礼】

 昨日は「新田先生」に★評価とコメント付き★評価を頂きました。

 ありがとうございます。

 頂戴したレビューコメントはこちら。


https://kakuyomu.jp/works/16817330658533750868/reviews/16817330658618163862


 ありがたやありがたや。


【新田先生の解説】

 津多ノートを読んでおられる皆様はほとんど新田先生をご覧頂いたと思うので、ちょっと踏み込んだところまで含めて、用語解説します。


[年代]令和のお話。


[銘仙]普及用の着物。友禅とか西陣は一生物で庶民には難しいので、明治、大正、昭和の普段使いの着物として普及。


[暮しの手帖]1946年のスタイルブックを経て、1948年に創刊。当初は洋裁の型紙などがメインだった模様。当初の会社は銀座にあり、その後、すべての経歴は分からないが新宿、そして神田へと移った。


[魚尾]この作品では400字詰め原稿用紙の中央にある模様のことから、転じて原稿用紙の比喩。


[鏡太郎先生]昭和初期の流行作家である泉鏡花。昭和14年9月7日没。代表作はカクヨムでも読める「高野聖」。私は読んだことがないが「湯島詣」という作品も書いたことがある。


[黒電話]1980年代になる前までに普及していたアナログ回線用の電話機。かなり頑丈。電話機の自由化、携帯電話の普及などで急速に消滅。現在の回線でも使えるものがあるのかどうかは私には不明。


[橋本君]橋というものは日本では昔から境の一つとして考えられており、夜になれば異界としての彼岸と、現世としての此岸をつなぐものだった。


[宝蔵門]浅草は浅草寺にある仁王門のこと。東京大空襲で全焼し、昭和36年に再建した際に宝蔵門と名称が変わった。今にして思うと設定に矛盾があるので、作中の宝蔵門を浅草寺に変更します。ごめんちゃい。


【混ざる】

 最近何かと話題の生成AIというものは、様々なデータを読み込んで、咀嚼して、一種のおぼろげな記憶を作りだし、そこから引き出しているものだと理解している。読み込んだものをそのままデータとして持っているのではなく、咀嚼した結果、つまり学習した結果なので、学習データとか学習モデルと言われている。つまり、混ざっているのだ。


 文筆家の文章や構成などは、今までに読んできたもの、見たもの、体験が全て混ざり合ってできたもので、とりわけ文章などは、読んできたものがかなり混ざっているものだと思う。

 私の文章のベースはおそらく吉川英治で、そこに宮沢賢治の児童小説やら司馬遼太郎の紀行文やらが混ざり込んでいるのかなあと。


 人間と学習型AIに何かの違いがあるのだとすれば、それは恐らく記憶の精度と、出力の速度なのだろう。生成AI反対派の中の一部には多分、それをずるいと思う人もいると思うのだ。時間をかけて汗水たらして混ざり合わせたものを、どうしてなんの努力もしていない人間が使えるのかと。


 結局のところ、今の人間社会というものはそういうもので構成されているのだけど、私も書きながら心が抉られているのだけど、お金を沢山動かせる人や会社が収入が高くて、このお金がデータ、人がAIに置き換わる時代がすぐそこまで来ているだけではないだろうかと思うのだ。


 それでも考えてみて欲しい。

 創作家が何かを出力するときには、その時々で自分が良いと思ったものを、人間が良いと思ったものを出力しているのだ。これはその創作家それぞれの人間臭さの塊であって、恐らく生成AIでは何万、何十万、何千万と出力したうちの、やっとどれか一つなんだと思う。

 そう考えれば、生成AIが”完全”に小説家やイラストレーター、画家に置き換わる未来なんてそうそう来ないのではないかとすら思える。


 けれど、SFの世界ではそれを乗り越える天才人工知能工学者が現れるのだけどね。

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