第42話 エーアイは人間に成れた?【2】

「アルフォンヌ領主様も、素晴らしいお方ですが、エーアイ神王様は物凄く思い遣り慈愛に満ちた、素晴らしい王様です!悪者を全て退治されたお話、皆が知って居ります!」

「エーアイ神に守られた国、エーアイ神王様の国民になれて、皆心から感謝して居ります!!」


何かこそばゆい。

アルフォンヌ都はやっぱ良い所だ。

「この都市でユックリしたい『気紛れ猫亭』に今日は泊まるか?」

「久し振りに良いですね」


孤児院の隣閉鎖しているはずの、アルフォンヌ領『美容整形院』の扉が開き、エインセル5人と防衛軍女性隊員10人が現れた。

エインセル族は、透ける様な真っ白の肌に深紅の頭髪、一目で分かる特徴である。

「エーアイ神王様!この『美容整形院』は、エーアイ神様の家でも有ります!私は診療所所長に就任させて頂きました、セイルと申します」

「ここは無人だと思ってた」

アルフォンヌ宰相の指示で、エインセル5人と女性隊員10人で、診療所として開業したそうだ。



「おっ?エーアイ王?良かった!!冒険者が重傷でギルドに運ばれた!!ギルドまで来てくれ!!」



私はギルドに向かい、本気で走った。


わたしの本気に、リズ達は平気で着いて来た。

リズにベス、ミズにキロカロ、本当に頼もしい、彼女達と最初に仲間になれたのは幸運だった。

彼女達の助言補助が無ければ、私は人々の恐怖の対象になって居ただろう。



「おっ!エーアイ…オウサマ」

「あはは、ビル久し振り!改まる必要無いぞ!センパイ!」

「「「「恩人様!」」」」

「リョウ達も首輪無くなって、大事にして貰ってる?」

「はいっ!私達4人毎晩可愛がって貰ってます」

「ビ、ビル?毎晩4人全員可愛がってるのか!」

「お、おぅ!」



「おい!!和んで無いで!こっちに来てくれ!大変なんだ!!」

そうだった、重傷患者が居たんだ。


ギルド仮眠室に入ると、腕を食い千切られたジャフが寝かされて、4人の獣人がオロオロしながら、懸命に看病してた。

再構築すると、身体が縮むが…そうも言ってられない…!

「そうだ!万能薬だ!

おい!ジャフ、これを飲んでくれ!…おい!!ジャフ、シャキッとしろ!必ず治してやる!だから、これを飲んでくれ!」

ジャフは全く反応しないが、生きてはいる。


「恩人様!私が口移しで飲ませます!」

「そ?そうか、頼む」

名前は何だったか、蜥蜴人が万能薬を口に含み、ジャフに口移しで飲ませて要る。


こんな状態なのに、少し羨ましく感じた。

⦅羨ましい?何が?……分からん…後でリズ達に聞いて見るか?⦆


万能薬の効き目は凄まじい!ムクムク腕が生えて、あっと言う間に元の状態に戻って、穏やかな寝息を立てて要る。

「お、恩人様!ありがとうございました!!」

何故か、唇が気になって見詰めた。

「もう安心だ、ユックリ休ませて、目が覚めたら水を与え、何か食べれたら食べたい物を何でも与えて」


「「「「恩人様!ありがとうございました!!」」」」


部屋を出ると、ギルマスとセイルが到着し、ゼイゼイ荒い呼吸をしてる。

「もう大丈夫!腕も生えて、今は穏やかに寝ている」

「そうか!流石エーアイだ!!」


お決まり、酒場に居た全員に飲み放題させて、診療所に戻った。

酒場の親父、私の言ったホーンラビ肉の唐揚げ、完成させて居た。

普通に旨い唐揚げだった。



セイル所長に万能薬20本渡し「治療出来ない重体患者に飲ませて、死んで無ければどんな重傷重体でも治る薬だ」

「そんな、薬が有ったんですか?」

「S級ダンジョン産の万能薬、ダンジョンに行けばいくらでも手に入る、惜しみ無く使ってくれ」



寝室に引き上げた。

気になっていた事を、リズ達に聞いてみた。


「エーアイ神様、それってこんな事したいと思ったんじゃ無いですか?」

リズが、優しく口をつけて来た。

ベスが後ろから、そっと抱き着き腕を私の胸に持って来た。

「ん?」

何か…変な感じだ、リズが私の唇をチュッと吸い、舌を入れて来た。

ベスは私の首に唇を這わせ、更に耳たぶに移り甘噛みを始めた。


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