第41話 エーアイは人間に成れた?【1】

「エーアイ神王様の、本日の患者は予定無しです」

 美容整形院の事務長、リズが嬉しい事を言ってくれた。

「久し振りに、S級ダンジョンの宝箱漁りに行って見るか…」


 城下のチンピラを一掃して、城下は平和でお忍びで歩いても詰まらん、それに住民に知れ渡ってお忍びにも成らん。

「「あっ!私も行きたい!」」

「リズやベスが事務を抜けたら、回らなくなるでしょう」

「「「「「チビッ子親衛隊誰でも事務仕事出来ます!」」」」」

 キロやカロまで、声を揃えて言って来た。


「しょうが無い、アルフォンヌ領より近いけど、全速力で走って昼になる、帰りはニシモリ村辺りで宿泊になるぞ」

「ドラゴンにリベンジしたいです、耳栓全員持ってます」

「威圧咆哮対策?」

「「「「「はい!!」」」」」


 元々獣人の身体能力が凄い上に、私と身体能力同じに構築した5人、嬉しさも加わり凄まじい速度で疾走、私が必死に追い掛ける程で、昼前にS級ダンジョンに到着した。


 そのままの速度で、クレイジイベアを無視して、2階の土竜も無視、3階の火竜も無視、4階の水竜も無視して細道を駆け抜け5階に降りた。

 道を知ってる私達が、疾走すれば緞帳どんちょうな動きの魔物に、私達を捕らえる事が出来るはずが無い。


 前回と同じ、正面に宝箱、開けると拳位の玉が6個入って居た。

「この玉は何だ?」

「神王様!凄い!これ封印玉です!」

「封印玉?」

「はい!馬車でも馬ごと大きな建物でも出し入れ自由、伝説では魔王を封印出来たとか」


「マジックバッグと同じで、更に生き物も収納出来る?」

「その通り!凄いアイテムです」

「左がダンジョンボス、右に行って宝箱漁るぞ」


 流石S級ダンジョンの宝箱、マジックバッグ18個、封印玉12個、効能こうのうが記入された、死者以外完全回復させる万能薬24本が手に入った。


「では耳栓して、ドラゴン退治遣りますか!」

「皆気合い入れて行くよ!!」

「「「「おーーーっ!!」」」」


 皆凄い気合いでドラゴンに向かった。


 前回で戦い方は心得てる、耳栓で威圧咆哮も防ぎ、私の出番が全く無かった。

 呆気なく二頭のドラゴンを倒してしまった。


 今回ドラゴンは1メートルの魔石2個、万能薬20本、封印玉10個、宝剣二振りを残した。

「今回は鱗が無かったな」

「その代わり、治療用万能薬20は有り難いです、エーアイ神王様が不在でも、宝箱からのと前回のと合わせて54本、これだけ有れば急患にも対応出来ます」


「もう一度ドラゴン退治やって見るか?」

「いえ、もう十分です、物凄く楽しみにしてたのに、少し詰まんない結果でした」

「孤児院用のお肉狩に行きませんか?」





「あっ!王様だ!!」

「ビッグボア3頭お土産、解体出来るか?」

「あぁ、王様、俺達上手く解体出来る様になったぞ!」

「そうか、裏の井戸において置くぞ」


「エーアイ神王様!この子マルスとレビこの娘が15歳、孤児院から出て行く歳に成りました」

「そうか、二人王宮で働くか?」

「「王様?良いの?」」

「マルスとレビ、取り合えず見習いから始めろ、アルに行って置く準備が出来たら何時でも王宮においで」

「「はい!!ありがとう王様!!」」


「院長先生、卒業生は全員王宮で働ける様にする」

「は、はいっ!ありがとうございます!!」


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