第36話 バカチン法皇【2】

 随分偉そうに、捲し立てた使者さんだったが、私のチビッ子護衛隊が空き部屋に誘導、アルフォンヌを呼びに行き、対応してもらって居るとの報告を受けた。


 バカチン使者の言い分。

【バカチン皇国の神殿で、全ての患者の治療を行って居たが、美容整形院と言う新参者に、患者を全て奪われた!

 態度を改めない場合『バカチン皇国』の総戦力で『エーアイ聖国』を滅ぼす!】


「随分頭の悪い言い分だな、正気とは思えん!」

「では、バカチン皇国法皇軍総力で、貴国を滅ぼす!」

「エーアイ聖国の、防衛軍に勝てる軍隊が居るとは思えん、法皇軍とやら頑張って戦いを見せてくれ!!楽しみに待っておる!」


 アルの、オフザケ半分の対応にバカチン皇国使者は、顔がどす黒く変色する程怒り狂い帰って行った。






 アルの依頼で、リズとベスがアルフォンヌ領の防衛軍招集、応援要請に走った。

 二人は、元々狼獣人の超体力に、エーアイの非常識な再構築で更にパワーアップし、有り得ない身体能力を得た超人です、時速100㎞越えの全力疾走で、1000㎞の距離を半日で駆け抜けた。


 アルフォンヌ領の大都市、その外縁に旧王国軍17000人が駐屯している、現在屯田兵として農業に従事し、有事には防衛軍となり広大なアルフォンヌ領の防衛に勤める。

 屯田兵は、彼等の子や孫も加わり20000以上の軍隊になっている。



 エーアイ様側近の私とベスの顔は、領民に知られている。

 屯田兵が整列して待っていた。


「ダラン将軍!エーアイ聖王様の指示を伝える!!」

「はっ!!」

「バカチン皇国が戦争を仕掛けて来る!屯田兵諸君!!有事に備え領地防衛の任を与える!!獣人部隊1300と戦闘隊500はエーアイ護衛隊と共に、バカチン皇国に攻め込む!!」

「はっ!領地防衛に勤めます!!エーアイ聖王様のご武運をお祈りします!!」



 そのまま都心に向け走り、獣人部隊1300人全員と男女戦闘隊500人を引き連れ、エーアイ様の基に走った。



 ◎◎◎



「アル?バカチン皇国の神殿で治療をやってる、治療巫女って何?」

「エーアイの『再構築』とは違うが、治癒回復が出来る種族が居るそうで、集落全て奴隷として管理されて居る」

「戦勝の賠償として提出させ、その種族全員保護するかな?美容整形院手が回らない状態、改善出来そう」


「そうと決まれば、攻撃は最大の防御!エーアイ!打って出るぞ!!」




 深夜、リズとベスが防衛軍精鋭部隊1800を引き連れ、帰って来た。


 再生浮浪児コルス達30人も、チビッ子護衛隊に含まれ護衛隊は130人になり、リズ達の部下に加わった。



 翌早朝、防衛軍精鋭部隊1800と、側近とチビッ子護衛隊135人、それに何故か駆け付けて来た、女騎士サフィア、アマゾネスのマリア、それに私のメイド、エリスとケイサが「是非参加させて下さい!」とアルじゃ無く、私に言って来た。

「サフィアとマリアは、アルフォンヌの護衛として同行を許可する!!エリスとケイサは……」危険だからダメと言おうとしたが、物凄い眼力で睨まれ「私から離れない様に!」結局なし崩し同行する事になった。


 バカチン皇国が何処にあるか、知ってるのがアルフォンヌだけ、アルを先頭に、2000人が北北東に向かって走った。

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