第32話 国王王妃病死?

 月の日、診察開始、扉を開くとアルが待っていた。

「エーアイおはよう!臨時休業にして、最新式馬車の試乗しないか」

「アル?おっ、おはよう!どう言うこと?」


「エーアイ考案のバネ馬車が完成した、試乗して王都王宮まで行こう!」

「王都?王宮?今の時期何故?」


「王と王妃が病死…毒芋を処理せず芽ごと、しかも生で食って中毒死して居たとの報告が入った」

「側近やメイドは?黙って見てたの?」


「王が悪魔の噂が、効き過ぎて、恐れから王宮には誰一人使用人が残って居なかったそうだ、当然目端の利く近衛や側近は、もっと早く逃げ出していた」


「悲惨な最後みたいだけど、悪魔と間違われる行動言動が有ったのでしょ!同情しようが無いね!」

「そうだな、無血革命成功だな」

「無人の王都なんて放置すれば?大都市になったアル町の、維持だって大変なのに」




 結局臨時休業の表示をして、馬車に押し込まれ、王都目指して馬車は走る。

 サスペンションが確り利いた馬車は、振動が少く常歩走行なみあしそうこうが続けられ、通常の倍は早く走ってる。


 10人は乗れる二頭立て馬車、乗員はアルと私リズ達の7人、御者はセボス、セバのじっちゃんの息子だそうだ。


 コウベエ村を抜け、トウキビ村で昼食休憩、1時間ユックリ休み出発、見違える様に繁栄してるニシモリ村を抜け、ナカモリ村を素通り王都外れのヒガシモリ村で宿泊休憩、揺れない馬車のお陰チッとも疲れて居ない。

 馬を休ませる必要が無ければ、夜通し走行が可能な程、皆は元気だ。


 聖十字教遠征中の対処指導、その後の復興支援でアルの威光は浸透していた。

 指示に走ったのが、御者をしてるセボスだったそうで、恩人扱い私達は歓待を受けた。


 アルを含めた私達は、全員マジックバッグに食料を詰め込んで来てる、何とか村人が飢えずに過ごせる様に復興しただけで、決して裕福とは程遠い状態、収納してるビッグボアの肉を大量に放出、村人に振る舞った。


 滅多に無い焼き肉食い放題に、お祭りの様な騒ぎになった。

 トウキビ村の黒糖酒も喜ばれた、私以外は旨そうに呑んでた。



 翌早朝ヒガシモリ村を後に、一路王都を目指し、夕方王都王宮に到着した。

 新型馬車の性能は、陸路の進行を考え直すべき、高性能な物だった。

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