第28話 エーアイ聖国【2】

 朝だ!喉の渇きで目覚めた「僕はどうした?ここは何処だ?」

「おはようございます、体調はいかがですか?」

 水の入ったグラスを渡され、一気に飲んだ。

「おはようベス、水が旨い」「お代わりします?」

「もう一杯飲みたい」

「心配したのですよ!!ワインで酔い潰れられて」

 思い出した!飲酒初体験、見事轟沈したのを。


「朝食は食べられそうですか?」

「余り欲しく無い」

「では、果物でも用意して貰います」

「ベス?寝ずの看病してくれてた?」

「仮眠はして居ます」「大丈夫?」

「全く問題有りません!お気遣いありがとうございます」

 ニッコリ笑ったベスは、目にクマをつくってる。

 もう酒は飲まないと、決心するエーアイだった。


 食堂に行くと、リズ達とアルが何か話してた。

「おっ!エーアイ、起きたか!体調はどうだ?」

「酒は懲り懲りだ!もう飲まん」

「プッ!そうか、完璧人間のエーアイにも、弱点が有ったな」


 アルが私を、完璧人間と思っていた事は嬉しいが、笑顔で言われると、少しムカつく、それに私は不完全な存在との自覚はある。


 出された、飲み物と果物は良く冷えていた。

 飲むと、清涼感が口内に広がり、気持ちがスッキリ食欲も出てきた。

 冷された果物は、甘くトロリと溶ける様な柔らかさの、果汁が溢れる食べた事の無い物だった。

「これは旨い!」

「旨いだろう、私も白桃は大好きだ!」

「白桃と言うのか、初めて食べた」

「値段を言うと下世話だが、一個大銅貨3枚だ」

「大銅貨3枚!!!宿屋に一泊出来る値段か…アルの所に食べに来る、僕には買えない」

「おいおい!美容整形院の収益、把握してるか?まぁ良い、何時でも食べに来い」


 アルは、にこやかな顔から一変、真面目な顔になり、話を始めた。


「リズ達と話して居た、彼女達不満は一切無いが、今後の事を考え解放奴隷にして貰えと、私が提案した」

「解放奴隷にするには、奴隷商にやってもらう?」

「解放するのは簡単、エーアイが皆の奴隷の首輪を外せばよい」

「そんな簡単な事なら、直ぐに外す」


 私は5人の首輪を外した。

「奴隷の首輪が、有っても無くても、私達はご主人に仕える事が出きれば、それで良いです」

 リズが言い、ベス達4人が頷く。

「ありがとう、皆は仲間だ!呼び名も、主人で無くエーアイと呼んでくれ」


「それから、エーアイに話がある。状況が熟した!建国を宣言するつもりだ!覚悟してくれ」


 リズ達の予想通り、建国するのか。

「時期は?」

「建国宣言の親書を全領主に送る」

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