第22話 聖十字教の末路【3】
元々腐った団体、ねずみ講の様な組織図で献金を吸い上げる、逆らう者は悪魔認定され、処刑される、多くの住民は当たり障りの無い様に、距離を置いて傍観していた。
商人達は
教義も無く、大司教を神とする、横暴で腐った者達の、迷惑な団体だった。
そんな聖十字教の大司教を始め、教本部の殆どが悪魔だった情報は、王国中に、瞬く間に広がった。
各地領主が先頭に立ち、聖十字教閉鎖、教徒追放が進んだ。
地方で追放された、聖十字教教徒達は、王都聖十字教本部を頼って続々と押し寄せた。
しかし、頼りの本部はガランとした無人状態、情報が入らず事情を知らない教徒達は、戸惑うだけだった。
今まで、当たり前に食料費用を献上していた商人達が、掌を返した様に献上を拒否する、それ所か購入さえも拒否され、途方にくれる教徒達だった。
そんな教徒達にも、噂は自然に入って来る、本部の大司教を始め、司教や司祭全員が悪魔だったと聞き、徐々に教徒達は離教して行き、聖十字教本部は元の無人になってしまった。
聖十字教と言う組織は完全に消滅した。
「最近、十字教から貢ぎ物が無いのぅ、
「
情報が入らず、事情を知らない王と王妃達だった。
17000人の王国軍は、全員家族を引き連れ、アルフォンヌ領に移住を希望して来た。
領主アルフォンヌは、兵士として受け入れるかは要再考だが、家族混みの受け入れは許可した。
結果王国に王国軍は残って居ない、1000人足らずの衛兵のみになっていた。
「流した噂が、効き過ぎたか?」
報告の為、各地に帰って行った諜報員達が、親書を持って再びやって来た。
どの新書も、王国を離れアルフォンヌ領に帰属したい、との事が書かれていた。
「エーアイ殿、どうしたものか?アルフォンヌ領は、今でも王国領なのだが」
「親書を読んだ感じでは、アルフォンヌ王国と、思われて居る様ですね」
「私は、建国した覚えは無いのだが」
執事のセバが、珍しく遠慮がちに言った。
「アルフォンヌ様!今の王国には、建国を阻止妨害する力は残っていません、言った者勝ちで御座います!建国いたしましょう!!」
「各地の領主、アルフォンヌ領に、暗に建国を進める親書をで有ろう」
綿密な策略を練って、更に石橋を叩く堅実な性格のアルフォンヌは迷った。
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