第21話 聖十字教の末路【2】

 可能な限り、多くの他の領主に親書を届け、多くの諜報員がアルフォンヌ領地入りしていた。

 各領地の諜報員達、行動に一切の制限をせず、自由に情報収集させていた。

 前日、領地全て一斉に噂を流した。

【明日悪魔に率いられ、聖十字軍がやって来る。正門前で大司教は正体を現す】


 流石に諜報員、全員防護壁上から、悪魔の正体を現す大司教を目の当たりにした。


「悪魔の劵族で無い、証明をせよ!!」

 派遣されただけの王国軍が、法衣を脱ぎ捨て大司教だったサタンを取り押さえた。

「や、やべろ!!」

 止めろと命令しても、誰も聞く耳持たない。

 更に王国軍は、司教や司祭達を取り押さえ、拘束した。

「アルフォンヌ領主様!ご覧の通り悪魔の劵族は、全て拘束致しました!」


 必要な言質げんちを取るため、王国軍と知りながら詰問する。


「お前達は、悪魔の劵族では無いのか?聖十字軍として参った様だが」

「我々は王国軍兵士です!!王命で参加しただけで御座います!!」


「王命とな?王は何故悪魔に同行する命令をした?王も悪魔の劵族か!!」


「ここ数年の王命は、正気と思えぬ酷い物、おそらく悪魔に取って替わられた者かも知れません」


 欲しい言質げんちは取った、しかも各領地の諜報員の前でだ。

「悪魔の劵族では無いと分かった!その地で野営を許す!王国軍は何名だ?」

「17000名の軍で有ります、アルフォンヌ領主様!!」

「では、全員が腹一杯になるよう、食料差し入れしてやる」

「あ、有り難う御座います!!4日水しか口にして居りません」


「調理する元気も無いか、賄い人も付けてやる、休んで居れ」

「お気遣い感謝します!領主様!!」


 先ず酒を差し入れした。

 飢餓状態の酒は効くだろう、殆どの者が食う事も出来ず酔い潰れた。

 17000食のシチューに大量のパン、無事食べたのは2000人居なかった。

 大量に残った食料、飢餓状態の聖十字教の者達、食い入る様に見てる。

 実はこの中に、私アルフォンヌのスパイを入れている。


「そこのお前!悪魔の劵族か?」

「いえ!私は人間です!!」

「聖十字教教徒では無いのか?」

 茶番劇だ。

「悪魔がのさばる聖十字教からは、離教しました!私はただの人間です」

「なら、この中に悪魔の劵族と思われる者が居るか?」

「はい!悪魔かは判断出来ませんが、日頃の行いが、正気の人間と思えない行動の者は居ます」


 縄を解き「その者を教えてくれ、その後食事を与えてやる」

 私のスパイは、嬉しそうな顔をして3000人の聖十字教の司教や司祭の聖教徒中2800人を指差し教えてくれた。

 200人の指名されなかった、善人かは不明だが腐って居ない者達に食事を与え聖十字教から離教するよう促した。


「お前達!正体を現せ!!」

 エーアイに合図を送り、腐った2800人を貧弱な小悪魔に構築させた。

 2800人の聖十字教の、仲間と思っていた者達の変貌は、離教を躊躇っていた者達には、決定的だった。


「こんな!!悪魔に取って替わられない内に離教します!!」

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