第19話 聖十字軍対策

 切り出した材木で、長屋を構築していると、領主の馬車が帰って来た。


 準備した材木が無くなった時、長屋55棟完成していた。

 長屋1棟で5家族、30人程住める。


「おう!エーアイ殿は仕事が早い!これで充分だ」

「えっ?これで良いのか?」

「1村の住民2~300人しか居ない、余る位だ……丁度良い一棟に防衛軍幹部を住まわせ、防衛会議を密に行う!!早速だがエーアイ殿に確認したい事がある」


 領主は面白い事を話始めた。

 領主が持参した、書籍のページを捲り「これだ!」

 挿絵を見て、エーアイは「出来ます!面白い!それを遣れば、戦わず終わりそうですね!」

 エーアイは、膨大な画像データーから、使用目的の画像を選んで、にっこり微笑んだ。


「エーアイ殿、弓以外で長距離攻撃兵器を知らないか?」

「知っては居ますが…銃は火薬や材料集めるのが、直ぐには無理…バリスタ位なら直ぐに構築出来ます」

「バリスタ?投石器の様な物か?」

「いえ、弓を大型にした…小型にしてボウガン造ってみます」


 防護壁を構築した時、大量の砂鉄を回収して置いた。

 ボウガンの構造は簡単、武器の膨大な情報の中では玩具感覚で流れていた。

 電脳世界の膨大な情報は、この世界でも役に立つ、もっと多彩な情報を取り入れて置けば良かった。


 ボウガンを構築した。「これがボウガンか?」

 使い方を説明し、試射をやってみせた。

「こ、これは凄い!弓の練習不要、誰でも使える長距離攻撃兵器だ!!エーアイ殿、これを大量生産して欲しい!!」

「良いですよ、鉄が有ればいくらでも造ります」


「エーアイ殿、馬車に乗ってくれ、武器工房に行く」

 鉄鉱石が豊富にある、ゴウダー武器工房に向かった。


「エーアイ殿!畑まで出来上がって居るのか!!」

 リズ達の指揮で、少女に見える護衛隊が、疲れを知らない勢いで、耕している。

「領主の要望通りに、やってるだけだ」

「要望を叶える事が大変な事、それを全て半日でやり遂げる!エーアイ殿は凄過ぎる!!」


 何かほめられた?

 領主は心から思っているようで、エーアイの中に暖かくほんわりした物が持ち上がった。



 ゴウダー武器工房に入ると。

「おっ!いつぞやの小僧か、お前の造った剣には届いて居ないが……領主様!!」

 私を覚えていた様で、話し掛ける店主が領主アルに気付いた。

「領主様!!失礼致しました!!御用件を承ります!!」

「あの聖剣は、このエーアイが造った剣だった、今日はエーアイに鉄鉱石を大量に譲って欲しくて参った」


「ぶ、武器工房で御座います!鉄鉱石は大量に在庫が有ります!!」

「これは、エーアイが造ったボウガンと言う武器だ!これを2000丁造る鉄鉱石が欲しい!使用する矢はこれだ!工房への依頼はこの矢の大量生産だ」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る