第17話 悪事千里を走る

 アルフォンヌ領アル町に「美容整形院」が出来た事は、諜報員によって瞬く間に王国中に伝わった。


「アル町と言えば、神殿を閉鎖神官を追放した所で有るな!国王に伝えろ!悪魔討伐に兵を出せと」


 ここは王都、アル町以外に強固な権力を行使する『聖十字教』の本部大神殿の絢爛豪華な大司教の室だ。

 大司教は全裸で、全裸の美女をうつ伏せに敷き詰めた上に、醜い太鼓腹の巨体で寝そべっている。

 だらしなく伸ばした左手は「上向きになれ」と命じて、上向にさせ豊かな乳房を弄んでいる、右手はフランクフルトソーセージの様な太い指を、手の届く位置の尻から、陰部に捩じ込み「ビチャビチャ」音を楽しんでいた。


 顔をしかめながら、お着きの司教が言った。

「大司教様、よろしいので有りますか?エーアイと言う者は、聖人と伝わって居りますが」

「聖十字教に仇なす者は、全て悪!悪魔に等しい!ならば、悪魔として討伐すれば良い、アルフォンヌも共に討伐してやる!士気を高める為、儂が自ら指揮を取る!!」




 浪費癖のある国王王妃は、聖十字教から多額の金子を流用して貰っている、その為大司教の言いなりに国王は動き、裏から王国を仕切って居るのが聖十字教で有った。



 着々と兵が集められ、集められた兵士達には、聖十字教の聖十字軍の法衣が支給され、悪魔討伐隊として編成された。




 王国の不穏な動きは、逸速いちはやくくアル町の領主、アルフォンヌの耳に入り、アルフォンヌは迎え撃つ準備に取り掛かった。


 エーアイに開業させると、いずれこう成る事を見据えて、奴隷商人に欠損部位の有無に関わらず、戦闘奴隷特に獣人を、近辺の奴隷商から買い漁る様指示を出していた。

 その効あって、戦闘奴隷獣人800人、戦闘奴隷男女200人、その他合わせて1100人が非常な格安で集まった。



「聖十字教の軍隊、聖十字軍を撃ち破るには、エーアイ殿の協力が無ければ成り立たない、セバ、エーアイ殿と無双奴隷の皆を夕食に招く!」

「はっ!お呼びして参ります」





「ご主人様、領主様の依頼だそうで、奴隷商の商人が狼人男女300人兔人男女200人蜥蜴人男女300人、強靭な人化を希望と言ってます」

「300、200、300…800人?大変だ、一度には無理かも、出来るだけやって見る」


 強靭な人化に欠損部位修復は問題無いが、美男美女の顔は、同じ顔には出来ない、似た顔が増えるのはしょうが無いが、個人識別が出来る程度には変えないと、だが流石に人工知能のエーアイ、伜無く人化を終える事が出来た。


 と思ったら、追加の戦闘奴隷男女200人の依頼で、欠損部位の修復、強靭な身体を構築して行った。

 顔は変える必要無いそうで、これは楽だった。


 最後に駆け込み、シカメさんが目をパッチリさせる治療に来てた。

 リズの言ってた通りだった。



 今日の業務終了、流石にグッタリしていると、セバのジッチャンが迎えにやって来た。

 何か領主が用があるそうで、私達全員夕食に招かれた。




 差し入れしたビッグボア、同じビッグボアだが、領主の料理人が作った料理は流石で、味がよく分かって居ない私にも美味しく感じる物だった。


 食事が終わり、お茶が出され領主の話が始まった。

「エーアイ殿にも関係の有る話で、エーアイ殿の協力が必要になった!!実は………」


「僕を悪魔と言う事にして、討伐に攻めて来るって事ですか、いつ頃その聖十字軍はやって来ます?」


「40日後に到着するだろう、聖十字教を追放した私も、一緒に討伐する気で来る」

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