第15話 ダンジョンは不思議だ

「エーアイ、ありがとう!スッゲェ美人にしてくれて!!」

 ピートは、美女に変わった3人に、抱き付きながら私に言ってる。

 3人の行く末が、心配になるぞ!

 状況が掴めず、呆然と立ち竦む奴隷達に声を掛けようとして、止めた。

 私に言える事は無いし、余計な事を言うべきではない。


「主人様!ギルドに戻り依頼を受けましょう!!」

 ギルドランクに関しては、ミズが異常に積極的だ。




 促されるままに、冒険者ギルドのD級依頼板を見てる。

 読めるが、内容を理解出来ない。

 ダンジョンスライムの、魔石30個?

 ダンジョンゴブリン討伐30匹以上?

 ダンジョンオークの牙?同じくオークの肉?


「魔物狩のはずが、スライムやゴブリン、オークを狩る事に何故なった?それにダンジョンとは何だ?」

「ご主人様、スライムやゴブリン等全て魔物です。

 ダンジョンは不思議な空間で、魔素から周期的に魔物が沸き、狩るとアイテムを残し消えてしまいます」


「狩った魔物が消える?何か無駄な作業に思える、ビッグボア狩って担いで帰ると、金貨3枚に銀貨5枚になったぞ」

「普通の人は、200㎏を担いで帰れません」

「ん?そうなのか?」

「そうですよ、多くの冒険者は、ダンジョンで嵩張かさばらないアイテムを拾って帰り、換金して生業なりわいとしてます」


「そう?…わっ!!何全部剥がしてる?」

「これで50件です」

「違約金が発生するぞ」未達成は罰金を支払う事になると、説明を受けたの覚えてる。


「6人も居るので、これくらい簡単ですよ」

 ミズって結構イケイケ?

 両足を無くす様な何かがあったはず、その自信は何処から来る?



 勢いでダンジョンまで、走って来た。


「ダンジョンって、普通の洞窟だな」

「外見はそうですが、中に入るとビックリしますよ!」

 不思議に思いながら、ダンジョンに入った。


 抵抗は無いが、抵抗感を感じる入り口を通る。

 一瞬表現に困る、強いて言うなら、何かの膜を破った様な感じがして、洞窟内なのに明るい空間に出た。


「凄いでしょ?不思議でしょ?ダンジョンは、全く違う世界に通じて居るそうよ!」

 ミズが説明してくれる、臨戦体制で興奮してるのか口調が何時もと違ってる、平生からこんな感じで会話して欲しいぞ。


 キロとカロは弓を連射してるが、何処を狙って居るのか、矢は何処かに消えて行く。


 足元には丸くて、プヨプヨした物が転がってる。

「主人様!早く突き刺して!!」

 と良いながら、ミズが目に止まらない勢いで、プヨプヨを突き刺して居る。

 私も足元に居る丸いのを突いてみた。


 僅の間を置き、丸いのが消えて、小さな玉が残った。

「成る程!これがスライムの魔石か、これなら30個は楽に取れる」

 回収しながら進むと、キロとカロの鉄の矢が転がってる。

 よく見ると、矢と魔石がセットで転がってる。

 こんな遠くのスライムを、二人は射て居たのか!


 殆ど一瞬で、スライムの魔石は200程回収出来ていた。

 先に進み、歩みを止める事無く、階段を降りて行く。


 緑色の小人?を皆が斬り、消滅させて行く。

 これがゴブリンらしい、魔石を残すが、たまに魔石とナイフが落ちていた。

「貧弱なナイフだが、纏めて再構築すれば良い剣になる!」回収しながら進む。


 下の階では、牙の目立つ巨大な豚が出て来た。

 これがオークと言うらしい。

 流れ作業の様に、皆が斬り殺し、肉や牙を私が回収する。


 キロとカロはキノコを採ってる。

「何してる?」

「「依頼の光キノコ採集です」」


「ダンジョン薬草です」

 と説明しながら、通路の脇に生えてる葉っぱをむしってる。


 なんと、よく分からんが、今の時点で20件の依頼を達成しているとか。

 更に下の階に進む、どんどん下に降りて行く。


 黒い大鬼や、ビッグボアも出て来た。

 黒い大鬼はオーガと言うそう、魔石も大きく角や剣も残して消える。

 詰まらんのが、ビッグボアだ少しの肉を残すだけ、残す魔石は拳位デカイが、損した気分だ。


 巨大熊クレイジイベアが現れた……こいつが、ビクトリアさんや領主の怪我の元?

 皆に係れば瞬殺だった。


「ダンジョンボスのクレイジイベア討伐終了」

「もう終わり?」

「しょうが無いです、このダンジョンってC級難易度ダンジョンです、ご主人様には詰まらなく感じられたでしょう」





 冒険者ギルドに帰り、依頼完了の確認をして貰って……居ない!ギルマスの部屋に私達は居る。


「全く!お前達は無茶苦茶だな!たった1日それも、初めて入ったC級難易度ダンジョンを3時間で踏破しただとぅ!!その間に70件の依頼を完了させただと!!俺に何をさせる気だ!!!」


 私達全員D級を飛び越し、C級に昇格した。

 依頼料に買取り金、合わせて金貨120枚になった。

「冒険者って儲かるね!!」


「舐めとんのか!きさまぁ!!」

「ギルマスが、何で怒る?」

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