第10話 美容整形院
領主は、私が腕を治せると確信して居た様で、領主館(家)の隣、領主館より立派な新築2階建てに、私達を連れて来た。
奴隷商の店主は、欠損部位の修復や、美女に変えるのを目の当たりにしてる。
あの店主から領主は詳しく聞いたはず、ならばこの急展開も納得が行く。
「この家をエーアイ殿に進呈する『美容整形院』として使ってくれ」
『美容整形院』の看板が、既に取り付けられて、診療室に治療室、入院施設まで有る本格的診療所だった。
「領主様?この建物元診療所だったのですか?」
「診療所として建設したが、諸事情で使われた事の無い建物だ、2階に今からでも住めるぞ」
「皆、どうする?宿は引き払って、今日から住むか?」
「清潔で部屋数も多いですし、直ぐにでも住めそうですね」
「では、宿を引き払い、ギルドに開業の挨拶して」
「宿屋は『気紛れ猫亭』で有ったな?冒険者ギルドも使用人を向かわせる、エーアイ殿は開業準備をして、出来れば明日治療して貰いたい患者を紹介する」
領主は全て知って居て確定事項、腕の治療は只の確認だった様だ、全ては既に進行中って事か。
「良いですよ、明日から開業しますが、治療費とかはどの様に決めます?僕は暴利は嫌かな」
「私が紹介する患者は、全て素性の知れた人達だ、治療費は全て私が決める!安心してくれ暴利は取らん、それでも多いと思えば隣の孤児院に寄付してくれ」
「隣の孤児院?」
私に進呈された『美容整形院』に気を取られ、見えて無かったが、隣は神殿の様な建物が建っていた。
「神殿は、腐敗して居たので取り潰し、今は孤児院にしている」
この領主、思った以上に良い領主してた。
腐敗して居るの分かっても、そう言った組織を取り潰しは難しいはず、この領主王族?もしくは其に近い権力を持ってる?
領主が孤児院を案内してくれた。
重厚な扉を開け、入ると見た事の有る美女達がいた。
「「「「「あっ!恩人様だ!!」」」」」
恩人様って、領主だと思うよね、だが私の事だった。
アマゾネスも女騎士も、30人全員孤児院の職員になってた。
「恩人様!!新しい人生を与えて下さって、感謝してもし切れません!ありがとうございました!!」
女騎士が、泣きながらお礼を言ってくれてる。
奴隷商の依頼で、お金も確り取った、お礼を言われる様な立派な事はしてないぞ。
「皆さんは、領主様に感謝するべきです、でもこれからは、より良い人生を送って下さい!」
「領主様は、恩人様が指を治し美女に変えて下さったから、解放奴隷にしたと仰って居られました!!全て恩人様のお陰です!!」
「兄ちゃんが恩人様か?先生達を治してくれてありがとう!!」
子供達も集まって、お礼攻撃?をずっと受ける事になった。
「ん?この女の子、目が見えて無い」
他にも耳が聞こえない男の子、深い傷を顔に受けてる女の子、腕や脚に傷が有り動きが悪くなってる子供達の多い事、見付ける度に治して行った。
「兄ちゃん、すげぇな!!神様みてぇだ!!!」
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