第7話 武器工房

「皆の身体、僕と同じ様に頑丈に構築したけど、無理をしないで程々ほどほどに仕事して、程々ほどほどのお金を手に入れる事を目標に考えています」


「ご主人様?余りにもゆるい、目標とも言えない考え、これだけのメンバーが力を合わせれば、相当な事が出来ますよ?目標もっと高く持ちましょうよ!」

「僕は、リズ達に怪我を負って貰いたく無い!無理をせずたのしくらくに暮らせるお金が手に入れば、それ以上望まないよ」


「……狼人ろうじんは攻撃的種族、兔人とじん族も見た目に反して狂暴な戦闘民族なんだが、余りゆるいと身体が鈍るぞ!」

「そう…なのか?では6日獣か魔物を探し狩をして、1日は休養日と言う感じで頑張ろう!!」

「ご主人様は、やっぱりズレてる、そう言うの頑張ると言わないよ」



「着いた!ここで武器を購入するよ」

「ゴウダー武器工房?」

「ここで適当な武器を購入、僕が『再構築』で強力な武器に変える!この剣と同じ様にする」

「こんな素晴らしい剣を装備出来るの?」

「これって、元は折れて転がってた剣だよ」

「「「「「これがぁ!!」」」」」

「ご主人様は素晴らしい、非常識人です!!」

 誉められてる?けなされてる気がするよ……



 扉を開け、工房に入ると親父がギロリと睨む。

 感じ悪ぅ!ベスが何事も侮られちゃダメって言ってたな。


 睨む親父を無視して、一振り大銅貨2枚と貼り紙の樽に突っ込まれた剣、重くて頑丈そうな物3振り取り出した。


 片手で、ヒョイヒョイ掴んで持つ私を見てた、無愛想な親父が目を剥いていた。


「リズ、ベス、ミズ!この剣の重さどう?」

 3振り何れもほぼ同じ重さ、3人はヒョイと掴み、適当に片手で扱って「手頃な片手剣ですね、欲を言うと両手剣が扱い慣れて居ますが」


 リズ達の剣の扱いを、じっと見ていた親父が「この剛剣が使えるなら銀貨1枚で売るぞ!」と言って飾っている私の身長位の、鉄の塊を指差してる。


 私は飾りの鉄塊を掴んだ。

「流石に片手では、ちょっと重いな!」

 と言いながら、わざと片手でベスに渡した。

 親父、口をあんぐり開けて、凄い間抜け面だ。

 ベスも、わざと片手で受け取り、片手で振り回す。

「これ位までなら、片手で扱えますね」


「……駆け出し者の女子供と侮ってスマン事をした!!凄まじい奴隷を所有するだけ有るな!ひ弱そうに見せて主人はもっと豪傑!!気に入った!!選んでくれた剣全てで銀貨1枚にする!」


「有り難う!こちらの子に弓を選んでくれないか?」

「主人が所有する奴隷、ちっこくても凄い奴隷なんだろ?」

 と言いながら親父は、まだ試す気十分に超剛弓を持って来た。


 キロとカロは、其々弓を受け取りフヨフヨ軽々と弦を引いてる。

「「もう少し強い弓が良い、これは弱いよ」」


「それで我慢してくれ!工房ではそれ以上の弓は造れん…お詫びに無料進呈する」

「鉄の矢を200本、これは金を出すぞ!」

「剣と矢全て、銀貨3枚で良い」


 親父に銀貨3枚を渡して、樽から、適当に取り出した剣を、カウンターに置いた。

「親父!お礼に良いものを見せてあげる『再構築』」

 鉄の密度を凝縮、折れず曲がらず良く斬れる様に構築された大剣は、一回り小さくなった。

「錬金術の様なもの、この剣を目標にして良い作品を作って下さい」


 親父は私達が帰るまで、口をパクパクアホ面で会話の出来ない状態だった。


 私達が工房を出て、暫くして。

「なんじゃ、これはぁ!!!」

 親父の大声が聞こえて来た。


 キロとカロは剛弓に短剣、鉄の矢をそれぞれ100本、リズにミズは大剣、ベスは大剣と超剛剣、これで銀貨3枚は無い、親父大赤字のサービスだったな。



 本式の活動前に、ミズとキロカロの冒険者登録しようと、ギルドに向かった。

 ギルドでは、ピートがビルとジャフに詰め寄っていた。

ずるいぞお前ら!!」

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