第3話 奴隷商で奴隷を買う

 お節介な酔っぱらい親父、名前はビルと言ってた。

 後二人の酔っぱらい親父、ピートとジャフ…自動車トラブルのお助け?


 3人に引っ張られ、奴隷商に着いた。

 裏通りを更に入った所、少し胡散臭い所だ。

 一人で来るには、かなり物騒な場所に奴隷商が有った。

(私が人間を買う?姿は人だが私は人間では無い、良いのだろうか?)

「俺達日頃話してたんだ、金を貯めて奴隷を買って主人になり、もっと荒稼ぎ出来る様になりたいと」

「そうだぞ!坊主エーアイはその年で、将来有望な冒険者だ!!」

「羨ましいぞ!!」


 入るのを躊躇とまどう私の背中を、3人が押し奴隷商に入ってしまった。


「いらっしゃいませ!旦那方!美女を取り揃えて居ります!!」

「俺達は冒険者だ!戦える奴隷を探しておる!!」

「戦闘奴隷でしたら、こちらで御座います」

 でっぷり脂ぎった男が店主の様だ。

(戦闘奴隷か、安値なら買っても良いか)


 奴隷は全裸で待っていた。

「こちらはアマゾネス族、美女で勇猛に戦い夜伽上手金貨50枚とお徳用で御座います」

(美女?女には違い無いが、私より逞しく厳つい顔をしてる、其に金貨50枚って、そんな金持って無い)

「「「次ぎ!」」」

 ビル達も気に入らない様子、次は先ず先ずの女だ。

「女騎士で御座います、左の指が親指以外欠損して居りますが、剣術が得意で、夜伽上手金貨30枚で御座います」


 何故戦闘奴隷なのに、女ばかり進める?


 次々紹介するが、もうどうでも良くなった、手持ちの金では全く足りない。


「「「これだけか?」」」

「この先は、お買い得見切り品達で御座います」


 見て行く内に、注意を引かれる檻があった。

 檻の中には狼が入っていた。

「お大尽がお前達をご所望だ!!立ち上がって良く見て貰え!!」

 二匹?二人?の二足歩行の狼が立ち上がった。

 右前足?右手?が欠損した狼と、左足が足首から欠損し左手首も欠損した狼、立ち上がると身長180センチ近くある巨体、手足がまともなら頼もしい仲間になりそう。


「こちらは勇猛な狼人族、ご覧の状態なので銀貨5枚と、非常にリーズナブルで御座います」

「足の無い子も含め、二人で銀貨5枚なら買うぞ」

「勿論大負けさせて頂きます!二匹で銀貨5枚で結構です」


「おい!エーアイ!本当に買うのか?足が無いと走れんし、戦えるか分からんぞ!」

「僕に考えがあって買うので、大丈夫だよ」

「「「そうか?俺達でも買える程安いが、足手まといに成らないか?」」」


 心配してくれるビル達、結構好い人だった。

 二人の狼人に血の契約した、奴隷の首輪を嵌め銀貨5枚を支払、無事奴隷購入を済ませた。

 ジャフお勧めの宿屋『気紛れ猫亭』に宿を取り、メイン作業に取り掛かった。

 宿賃は一泊一部屋大銅貨3枚だった。

 部屋に入ると二人の狼人が土下座した。

「「ご主人様!不自由な身体の私達を購入ありがとうございます!!一生懸命お役に立つよう頑張ります!!宜しくお願いします!!」」


「そんなに硬くならず、気楽に仲良くして行こうね!それで試したい事が有るんだけど、人間の姿になるの抵抗ある?」

「「………?」」

「手足を治し人の姿に変えると、身長低く…僕位になるけど大丈夫?」

「「……?」」

「貴女名前は?」「リズです」「私はベスです」

「じゃリズから『再構築』」

 右腕が肩から欠損していた為、構築後は身長160センチに、美女モデルの容姿に狼の耳、狼の尻尾の美女獣人になったリズが顔を触ったり身体を確認して、泣き崩れた。


「凄い!!ご主人様が仰っていた意味が、やっと理解出来ました!!私も是非お願いします!!」

 ベスは左手左足を構築した為、リズより背が低く157センチ位、顔も可愛い感じにした。


 失敗した!!二人に服を用意してから『再構築』すれば良かった、二人の美女は真っ裸だった。


 シーツをトーガの様に巻き付け、二人を促し洋服を買いに出掛けた。

 宿屋の親父のお勧め、冒険者御用達ごようたしの服屋で二人の服を下着から一式購入した。

 美女は何を着ても美女だった。

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