6 賄賂

「ユーコ」との関係ができて以来、トモヤは多少楽であった・・・、あいつが来るまでは・・・

 あいつは突如現れた。

 その名も「トオキ」というアメリカ生まれの日本人である。彼は小学三年生のときアメリカが不況になり、その時から親が彼を邪魔者扱いするようになり、彼は偶然見つけた沖縄の雑誌に頼り、アメリカで同じ目にあっていた子供を数十人連れて飛行機を、ハイジャックして、那覇空港に着いた。その後、周りを張っていた警察に、

「お前たち、金はいらないか、ここに一億ドルがある、もし欲しいならこちらで両替しよう。一ドル百円でどうだ?もし、欲しいのなら金持って帰れ。さもないと…」当時の為替相場は一ドル百五十円を超え日に日に十円前後で増えていたので、みんなが集まった。沖縄はアメリカ経済に頼っているというのを彼はユーコから聞いていたのだ。


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