第3話 カクテルの名は…
S先輩の同期の川浪さんはすごい、
また同じく安良岡先輩もすごい。
以前も書きましたが、先輩方は後輩達に飲ませるのを何かの
“義務”
とお考えのようで、打ち上げ等において僕らはまず身の安全が図らなくてはならなくなるのです。
僕も弱いほうではないのですが、これも別作品で書きましたが、「ざる」ではなく「枠」のようにお酒が体を通る方々でした。
自分がされて困ったことは他人にはしてはいけません。
僕らの後輩には強制的…、いやこんなこと書いたら先輩方に失礼ですので、自主的にお酒を飲みたい雰囲気、そんな行動をとらせないようにしました。
本当です。つらいこともありましたから。
少し前、OB総会がありました。
川浪先輩の近くに座りました。
「堀…、仕事どうだ…、ヨット乗ってるか…、飲んでるか…」
お話の内容はだいたい同じです。
僕も後輩には同じことを訊きますから。
「えぇ…、実は会社辞めまして今は奥さんの実家の薬局を手伝っています…」
「そうか! 薬局のおやじか!」
「はい、土曜日も働いています」
などなどです。
「ハイボールでいいか…?」
先輩、ペース早いです。
そのあたりは変わらないですね。
ここでウーロン茶とは言えません。
きっとウーロンハイが来ます。
昔々、森高千里さんのジン、(GIN)のCMがありました。
「コーラとジンでアメリカ人(GIN)!」
「ジュースとジンでフランス人(GIN)!」
覚えている方も多いでしょう
「ジン、ジン、ジン」
って森高さんが歌ってましたね。
ミニスカートが似合ってました。
「できた! 堀、これは何ジンだ!」
現役だったかOBになりたてか…
何十年も前、川浪先輩、僕らに問いかけました。
ジントニックになにか長いものが差し込まれてます。
マドラーではないです。
「先輩! わかりません! 教えてください!」
僕は正直に言いました。
わからない…あまり知りたくないし…。
「これはな…、堀…」
「お前にあげよう、俺特性のカクテルだ!」
グラスを渡される…。
「コーラとジンでアメリカ人、ジュースとジンでフランス人」
嫌な予感しかしない…
「シシャモとジンで…、なんだ堀!」
ささっているのはシシャモか…
「このカクテルの名は…」
名は…?
「半魚人だ!」
そうゆう名前だそうです。
ジントニックもシシャモもおいしくいただきました。
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