第11話 broken Promiss 〜約束が破られる日〜

あれから私達の闘いが始まった。


龍介は女の人との縁を切る事。


合コンには行かない事。


女の人の来客来た時は、断っていた。


龍介本人が決めて誠意を見せてくれた。


私は、今迄ずっと避けてきていた肌の露出度高めを着たり、容姿から変えてみる。


龍介に甘えてみたりしてみたりと色々と工夫してみる。


だけど龍介の反応は薄い。



「砂耶香…ただのエロい女しか見えねーぞ!」



意地悪を言う。



「気合い入れすぎじゃね?」

「もうっ!少し位、色気感じてよ!」

「無理!」

「即答!?」



「それ、どう見ても…背伸びしすぎだろ?ヤりたい女しか見えねー」


「もうっ!」


「ありのままのお前じゃなきゃ…」

「ありのままじゃ子供じゃん!」

「俺がイイ女にしてやるから抱かれろ!」

「何、それっ!雑すぎ!それじゃ変わらないじゃん!」




そんなこんなで私達の関係は変わらない。




そんなある日の事だった。


最近、誰かに後をつけられてる気がしてならない。


振り返るも誰もいない。



「ストーカーじゃ…ないよね…?」




私は足早に帰る。


そして部屋の前に無事に辿り着く。



「おかえり」



ビクッ

隣のドアが開き驚く私。



「ビックリした…た、ただいま」


「砂耶香…肌の露出度高めの着て出歩くのも良いけど…余り無理しない方が…」


「仕方ないじゃん!龍介を振り向かせる為!」



 「………………」



「何?心配してくれてんの?」


「まっさか〜。楽しませてもらってるだけ」


「何それ!おやすみっ!さようならっ!」





私は自分の部屋に入った。




数日後の仕事帰りの事だった。


残業して人通りのない夜道を帰っていると―――




背後から抱きつかれた。



「きゃあ…」



口を、塞がれる。




「黙って言う事聞きなっ!」



「…………………」



首にはナイフが突き付けられてる。




《やだ…怖い……》




「変な真似したら許さねーぞ!」




グイッと引き摺り込ませるように路地裏に連れて行かれた。





ドンッ


押し飛ばされたかと思うと、背後から両手を掴まれる。



「きゃあ…」



背後から掴まれた相手から、口を塞がれ、私を押し飛ばした相手はナイフを私に向ける。



「静かにしろっつったろ!」



歩み寄る。



「毎日、毎日、エロい格好して〜、そんなにヤりたいの?」



私は首を左右に何度も振る。



「そそんだよ…特に若い女の肌」




私の洋服をナイフで切り裂く。



私は恥ずかしくて座り込んだ。



その直後、数人の人に押さえ付けられ荒々しく身体を触られ、抵抗し騒ぐ私の頬を平手打ちした。




「…………………」



恐怖の中、私の身体を引き裂くような痛みを感じ、



「痛…っ…!!」


「見せかけだけで初めてだったんだ。可哀想に。そのうち良くなるよ」



私は記憶が薄れていき、そのまま気を失った。





✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕




「アイツ遅いな…残業か?」



そこへ――――



「ねえ、砂耶香ちゃんは?」と、女の人が現れた。


「えっ?アイツならまだ帰って…」

「おかしいわね……」

「えっ…?あの…」


「あなた砂耶香ちゃんの隣人でしょう?一回、合コンで一緒になったんだけど……まあ女好きなら記憶にあるわけないわね」


「…ストレートだな〜…」

「事実でしょう?」

「…ごもっともですけど…」



「まあ、最近は変わろうって砂耶香ちゃんと頑張ってるみたいだけど…そんな事より、砂耶香ちゃんに連絡つかないのよ!」



「つかないって…?」


「残業で一緒にいたんだけど、帰ったら連絡するようにって…伝えてあったんだけど…あれから、かれこれ一時間以上、経ってるから気になって」




「そのうち帰って…」

「だと良いんだけど……」

「えっ…?どういう意味ですか?」

「最近、後付けられてたって話なのよ」

「えっ…?」

「大丈夫かしら…」



「あの…!アイツの連絡先、教えて下さい!」

「えっ…!?連絡先!?交換してないの?」


「してないですよ。つーか…隣人だし、いつでも会えるし」



俺は連絡先を聞いた。



すぐにとりあえず連絡してみる。




✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕




「………………」



私は目を覚ます。



画面上を確認せずに電話に出た。




「…はい…」

「砂耶香?お前、今、何処だ?」

「…誰…」

「好きな男の声も忘れたのか?」

「えっ…?」



私は打たれた頬のズキズキ感と、身体を引き裂かれた感覚の痛みに耐えながら…記憶を辿る。




「…どうして…?」

「職場の先輩が心配して、今……」

「…そっか…寄り道してたから…先輩に謝まらなきゃ。変わって」


「砂耶香ちゃん、大丈夫?今、何処にいるの?」


「…すみません…今、○○です。あの…彼にも謝っておいて下さい」


「えっ…?」


「約束…ごめんって…それ言ったら彼は分かります」

「待って…!砂耶香…ちゃん…つまりそれって…」


「…女の子って良いものじゃない…ですね。すみません…失礼します」


「砂耶香ちゃん!砂耶香ちゃん!」


「どうかしたんですか?」


「…あなたに……約束……ごめんって…」


「えっ…?」




俺は無意識に足が動いていた。



「ちょっと…!」

「アイツ通じて連絡します!」




『ねえ、龍介…』

『お前ただのエロい女にしか見えねーぞ!』

『もうっ!』



最近のアイツとのやり取りが脳裏に過る。




《…なんで止めなかったんだ…》

《つーか…止めてもアイツは自分の容姿に自信なくて…》

《無理して…いや…俺の為にアイツは…》



「…なんで言わなかっんだよ…砂耶香…そんな大事な事……。…分かってたら…俺は…」




俺は自分を責めた。



砂耶香に再び連絡をする。



「はい…」

「砂耶香?今、何処?」

「何処って…別に…」

「言えよ!」

「…龍介…どうしたの?私は平気だよ」



「…平気なわけねーだろ?」



「……ねえ…龍介…私の事…もう好きになる必要ないから……。…約束…破っちゃたし…だから都合のイイ女にしてくれる?だって…もう頑張る必要ないから…」



「…無理…」



「…そっか…そうだよね…ゴメンね…龍介…今日まで頑張ってくれてありがとう…もう龍介も…私の事は良いから…」



私は電話を切った。




「砂耶香…?もしもし?砂耶香!?」



プーッ… プーッ…


俺は、もう一度電話をかける。




「電源が入っていない為……」



アナウンスが流れる。




「…なんでだよ…砂耶香…」




私はトボトボ帰るも、すぐに足を止め、その場に座り込んだ。




























































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