第3話 女癖

「ねえ〜、龍介〜、今度、何処か連れて行って〜」

「何処がいい?」

「お任せ」

「そう?」




ベタベタ、イチャイチャと


人の目気にせず歩く


隣人の男の人と女の人。




すれ違う私達。


アカの他人のように私達は無視をしていた。



でも、そんな彼の意外な行動に驚きを隠せなかった。



会う度、会う度、

別の女の人を連れ込んでいる事が判明した。





《女癖…悪!カッコイイくせに…そういう奴だったんだ…最低…》




ある日の夜。


先輩と飲んでいる時だった。





「へえー、そうなんだ」


「もう!マジで信じられないんですよ―。どう思います?カッコイイのを良い事に次の女、次の女って許せないです!」


「まあまあ、良いんじゃないの?」

「そうですかー?じゃあ先輩は許せるんですか?」


「まあ、そう言われるとアレだけど、私が別に付き合ってるわけじゃないから」


「それは…そうですけど……」




私達は飲んでいた。


その日の帰りぼんやりと帰る。




「あ゛ーーーっ゛!飲みすぎたかも…」




そして―――――




「これは、これはお隣さんの」


声がし振り向く視線の先には隣の男の人。




「ん?あっ…」

「また飲んでたわけ?余り飲むと体によくないぜ」


「放っておいて下さい!他の女の心配したらどうなわけ?」


「他の女?」


「色々な女、取っ替え引っ替え!最低ーーっ!」


「あー…そういや…良く目撃されてるみたいだな?別に、相手が言い寄って来るんだし、それに応えてあげてるだけだけど?」



「悪いとか思わないわけ?」


「ねーな!都合の良い相手で、お互い理解した上での事だし」




私の中では、男の人に対するイメージダウン。


女の敵。


そう思った瞬間でもあった。



彼の名前は


侑城 龍介(ゆうき りゅうすけ)。23歳。


23歳とは思わせない最低男の遊び人。



だけど、カッコイイのが許せない!


絶対に関わりたくないし彼氏にしたくもない。



そんな彼の何処が良いのか私には理解できない。


出会って間もないからこそ、何一つ良い所なんて思い浮かばないもの。


この先、彼の良さは出てくるのだろうか?


そんな疑問を抱きつつも、


隣人の彼との波乱万丈な未来しか


私には見えてなかった。












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