第2話 隣人

「美砂都(みさと)ごめん。お待たせ」

「あ、砂耶香。私こそ急に呼び出してこめん!」

「ううん」



親友の有花(ありが)美砂都。




「どうかした?」


「…実は…」



美砂都は話を始める。


仕事もうまくいかず、彼氏ともギクシャクしているとの事だった。


私は、美砂都に、トコトン付き合った。


そして、美砂都は眠りに入り、美砂都をマンションに送る。


再び寝かし付け、一言メモを残して帰る事にした。




「あーー…頭痛い…今になってズキズキしてきた。美砂都送るまで気が張っていたからかな?自分が酔っ払うわけにはいかないし」





私は痛い頭を押さえマンションに帰るが――――





「あれ…?私の部屋、鍵…おかしいな…」




恐る恐る、部屋のドアを開ける。


異常はないようだが、正直、今までにない出来事に恐怖でしかない。


電気つけるべき?


私は恐怖心と葛藤しながら、ゆっくり部屋の中に入って行く。


自分の部屋なのに、どうして泥棒みたいな行動しなきゃならないんだろう?


そう思った、次の瞬間――――





ドサッ


何かにつまずき転倒した。




「いったぁぁーー」


「ん…」




ビクッ


声がし驚く。




私は、部屋の電気をつける。




パチッ




ドキーーッ


男の人だ。



「きゃあああーーーっ!」



ズキッ


驚くのと同時に、頭の痛さに座り込む。



ズキズキ……



「………………」



「大丈夫?」


「大丈夫…じゃない…つーか…私の部屋で…何…してるんですか?…あなたは…確か隣の…」


「えっ…?ここ、俺の部屋……」


「違いますっ!!あなたは隣っ!!…痛っ…!」




飲み過ぎて頭痛が更に痛さを増す。


大声を出すものではない。




「………………」




フワリと抱きかかえられ、お姫様だっこされた。



「ちょ、ちょっと…!何…」



ズキッ

 


「…っ…」




ドサッ


ベッドにおろされ、布団を乗せる。


そして男の人は私のベッドに入ってくる。





「な、何してんの!?帰って!」

「面倒ーー。一緒に寝よ♪」

「はあぁぁっ!?…っ…」

「頭に響くよ」



グイッと抱き寄せられた。



「ちょ、ちょっと…!」



男の人は、スヤスヤと寝息をたてる。





「えっ…嘘…マジ…寝て…」



こんなシチュエーション、ありえない光景。


ただの隣人が私のベッドで寝ている。




「ねえ…」


「……………」


「ちょっと…!」


「………………」


「なあ…あんたいくつ?」

「えっ…?いきなり何?つーか…起きて…」

「質問の…答え…」

「…えっ…?…20…」

「男いんの?」

「えっ!?」



私の上に股がり両手を押さえた。




ドキーーッ




《わわわ…ま、ま、待って…!》




「………………」



「いねーな…それとも…純なだけ…?」



顔を近付けてくる。



私は瞳を閉じた。



「…………………」




しかし何の変化も起きない。



おでこにキスされた。



ドキッ



「おやすみ」



そう言うと私からおり、隣でスヤスヤと寝息をたてる。




「えっ…?」



私は起き上がる。



「ねえ…」


「………………」



今度は本当に寝たと思われる。




「………………」



私は渋々、ベッドに潜ると背を向ける。



フワリと背後から抱きしめられた。



ドキーーッ




「………………」



ドキドキと胸が早鐘のように加速する中、気付けば私は眠っていた。


目を覚ました時、既に男の人の姿はなかった。















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