第9話 爆発
毎夜の様にBGMを掛けて眠りに着くと。またもや廃墟だった異臭が立ち込めている。遺体を食べたと思われる化け物は一匹だかでは無かった様だ。それとも、また瑠璃の親父さんがくさやをまた食ったのか。
「お兄さん見つけた」
「黒曜、親父さんはくさや食ったか?」
「あぁ、食べてたね」
「やっぱりかぁ……。今回はゾンビだったり?」
「当たり、昼間ゾンビの話題出してたからねバッチリ反映されてるよ」
この怒りをゾンビにぶつけようと思う。金属バット二本を召喚して黒曜に渡す。
「私にも戦えと?」
「自分の身くらい守って欲しいだけだよ。この昨日ぶつけられなかった獣欲をゾンビどもにぶつけてやる!」
「
「違ごわぃ! 生きてる女の子なら誰でも食べるわ。特に黒曜はモロ好み!」
つい大声で言ってしまった。誰が屍姦好きだ。精神的に腐っていても食えるが、肉体的に腐ってるのはNGだよ。全く。
そうこうしている内にゾンビがゾロゾロとやってくる手を前に出した基本スタイルの者も居れば、腹部から臓物を溢れさせて歩くモノ。下半身を失くしてはいずるモノまでいる。
どいつもの破壊頭をフルスイングで破壊していく。飛び散る脳漿、悪夢を見そうになるがずでに夢ならこれ以上の悪夢も無いだろう。同じ人を殴る感覚、忘れられない経験になりそうだ。二十体近くいたゾンビの数も全て退治した。返り血の匂いと人を殴って殺した戦慄で頭がクラクラする。
「大丈夫、お兄さん?」
「人を撲殺したのは初めてだから、あんまりダイジョブじゃない」
「私も初めてだよ」
「嫌な初体験だ。お互いに」
「私達の初体験は甘美だったよね」
「この状態でよく思い出に浸れるな、素敵だったけれども」
「ね~」
血化粧したバニーブルマの黒曜は綺麗だった。こんな事を思うのは不謹慎かもしれないが、昼間見た母性を感じさせる態度とは違って荒々しくギャップ萌えした。
「もう打ち止めかな?」
「みたいだね」
「じゃあ、もう我慢しなくてもいいかな」
「へ?」
グイっと黒曜を抱き寄せる。ぺろりと血を舐めると鉄の味がする。病気になりしないだろう夢だし。
「お兄さん、溜まってるの?」
「うん。黒曜の姿が綺麗で興奮する」
「きのう、しなかったし、しょうがないね」
「ゴメン、頼まれてくれる?」
「いいよ。私もちょっと興奮してるし」
「なにに?」
「血濡れたお兄さんの姿に……」
「お互い様だな」
「そうなの?」
「そうなんです」
黒曜が頬を舐める。血がついていたようだ。
「美味しくない」
「そりゃそうだ」
「お兄さんは舐めてくれたじゃん」
「綺麗でつい」
「私だってそうだよ」
抱きしめ合ってお互いを求めあう。恋人の様な関係がいつまで続くかは二人次第。
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