第2話 青き鏡の玉兎。

「うさぎかよ!?」


 思わずつっこんでしまったけど、みんなそんなリアクションなんだよ、と笑ってる。ほんとみんな色恋話が好きだよねぇと。


「ねぇどしてこんなに地球の人は早く結婚したがる?」

「おお、月の人からの純粋な質問。なんだっけ?男より女の人の方が上なんだっけ?」

「うまい言葉が見つからない、恋とか愛情じたいがあんまり」

「おーけい。兎ちゃん名前なんていうの?」

「え?名前?ウサギちゃん」

「まこっちゃん!あだ名でいいからつけてみ?」

「…う、うさっちゃん、とか?」

「お、自分の気持ちもこめて、愛らしいとかそういう、かわいいでしょ?」

「かわいい!!」

「お、おう…かわちぃちゃんとかもいたなぁ」

「かわちぃ…うさちぃちゃん、にする…!ウサギちゃん長かったから」

「いや文字数増えてる!」

「じゃあ…うさちぃ、いいかも」

「そうそう、そんな気持ちがどんどん大きくなって…ね、写真ないの?あっ」


 写真が苦手だった学生時代の彼女を思い出した。


「ふふ、気にしてないよもう。写真はないの、もったいなくて。目でみたり触ってたくて」

「ああ、それがいいよ…!」

「こんどうち来て、会わせたい」

「まじで、いいの!?」

「いいよ!」

「おまたせー」

「待ってないよー」

「ひどすぎない!?」



 青い空、月がうっすらと浮かんでいて。昼間の月をつけるたびにマコトの顔も浮かんでくる。夜の月は怖い、あの時見た鏡を思い出す。昼の月はまるでマコトみたいに微笑んでいる。

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