黒き鏡の玉兎。
新吉
第1話 白き鏡の玉兎。
私の友達には月の人がいます。かぐや姫の世界に出てくる、あの、月の人。私には理解できなくて、ずっと面白いことをいう子だなぁと思っていたけど、この間、月の手鏡を見せてもらいました。あれは鏡なんかじゃないでしょ、私はこわくて仕方なかった。それも全部わかっていて、私のことも友達といってくれるマコト。私たちは久しぶりに三人で遊ぶ。もう一人は本当に普通の、羨ましいくらい普通の、かわいいバカなルカ。マコトとルカ、彼女たちは親友。紛れもなくそう言える、言い合える。彼女たちを守ることが私の使命。学生の頃からずっと。ルカはマコトが月の人だということを誰にも絶対に言わない。本当に可愛い。
「うわー!マミー久しぶり!!!」
「うっわひっさしぶりに呼ばれたわ、」
「そんな顔しないで、久しぶりなのに」
「変わったね、でも変わらないね」
「マコトもね、いやぁルカはうるさいなぁ相変わらず」
「ひどい!ちょっとは大人っぽくなったでしょ!?」
「おとななんだよ?」
「はい、静かにします」
楽しそうにマコトが笑う。ルカの騒がしさにいつも救われていたけど、マコトもずいぶんかわいくなっちゃって…こりゃ男ができたな?波乱の予感だ。あらいざらい吐いてもらわないと。二人きりになったタイミングでないと月の話もしない。そこで早速聞いた。
「マコト!ね、誰かいい人できたでしょ?」
「それみんなから聞かれる」
「変わったもん」
「そう?兎、兎をね、飼いはじめた」
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