【本文感想】4-17 癒しの力を使えない聖女ですが、ガチヲタゆえ【漫画スキル】で奮闘しますぞッ!
●作品名:4-17 癒しの力を使えない聖女ですが、ガチヲタゆえ【漫画スキル】で奮闘しますぞッ!
作品URL:https://ncode.syosetu.com/n0930hv/18/
Web掲載前提
(2)「推し!」ポイント:要
(3)「惜しい!」ポイント:要
(2)「推し!」ポイント
◆激動の、異世界珍スキルファンタジー!!◆
ジェットコースター並みのスタートダッシュで異世ファン好きの心をガッチリホールド。
気が付いたら読み終わってる。そんな驚きを貴方に✨
(1)所感
キャラクターの勢いで最初から最後まで突っ走った作品……に見えて、文章的な地力の高い作品だなぁと思いました。
「勢い」って、キャラクターだけじゃダメなんですよ。
文章のテンポの良さと分かりやすさ(説明上手)が根底に無いと出来ない芸当なんですよ。
情景描写は最低限。
しかし必要十分は満たしているという印象で、情景描写はある程度ちゃんとしているのに「あっ、ここ情景描写続いてるな」と思わせないのがとても不思議でした。
何でかなぁ、と思って見ていたら、情景描写の最後を心情描写で締めくくっていたり、描写する時は短文で、軽い読み口にするために最後は体言止めにしていたり。
終始テンポ重視を貫いているからこその軽いタッチがすごいんです。
それが今回の「一人称ヲタク語り」と「スキルで初戦をサクッと勝つ」という目的にぴったりフィットした結果、このような「突っ走り切ったぜ✨」という感じの爽快読み口に繋がったんだろうなぁ、と思います。
いやホント、すごい。
主人公・千影は、語尾や言葉遣いが独特なので勿論それだけでも十分印象に残りますが、それ以上にきちんとヲタクっぽい思考をトレースし、それっぽいエピソードを挟んでいるのがいいですよね。
『サークルスペースの机に「新刊落ちました」と書いた看板を掲げなくてはならぬ、あの絶望と屈辱。』とか、知ってる人じゃないと書けない作品になっている。
スキル描写も、聞いた事も無いスキルが故の試行錯誤や、当たり前のように「素描なら15秒で書ける」という、これまたある意味特殊能力(しかしちょっと『もしかしてヲタクを極めれているなら出来るのかも?』と思わせるような塩梅)を平然と発揮するというアイデアもとってもいいんですよね。
ヲタクなら欲しいだろうスキルにしている所も相まって、きっと濃い諸々の設定が浮かずにきちんと作品にフィットしている様に見えるんじゃないかなぁって。
少なくとも私には思いつけない&思いついたところで絶対に再現できないタイプの作品だと思うので、ただただ「すごい」という感想しか出てこない。
おいコラちょっと、私の語彙力どこ行った。(笑)
(3)「惜しい!」ポイント
面白いだけに、最後の引きの甘さがとっても惜しい!
というのも、これから千影がどうなっていく(どうしたい)のかが見えていないのと、スタートダッシュ的な出だしの最後が丁度ひと段落しちゃっているせいで、ここまでで一種の満足感が得られてしまっている、短編っぽくなっちゃっているような気がします。
例えば「入稿間際なんだから早く現世に戻してぇぇ!」なのか、それとも「これで異世界を無双する!」なのか。
(とどめを刺した男とのラブロマンスもあるかもしれないけど、現時点ではそれが主題ではなさそうだなと思いました)
この先主人公・千影がどういう気持ちを前提にして今後行動していくのか。
具体的には、サイクロプスを倒してホッとしてからぶっ倒れるまでの間に「こ、これで現世に戻れる――」とか「激ツヨスキルを手に入れたぞやったー……」とか、そういうモノローグがちょっと入っているだけでも、匂わせになるかなと思います。
とはいえかなり完成度の高い作品でした。
ホント、面白かったです。
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