【本文感想】2-13 愛みのリリウム

●作品名:2-13 愛みのリリウム

 作品URL:https://ncode.syosetu.com/n0925hv/14/

 Web掲載前提

 (2)「推し!」ポイント:要

 (3)「惜しい!」ポイント:要


(2)「推し!」ポイント

◆噂の神隠しの正体は一体……?◆

 神、悪魔、そして人。様々な憶測が囁かれる神秘的な事件。その正体に出逢ってしまった時、主人公・リリアンの『願い』は叶えられる……?!



(1)所感

 カトリック系学校を思わせる舞台での、美しくもちょっと妖しげな物語。

 一瞬現代かなと思ったけど、『貴族』という言葉と名前から、異世界ファンタジーなのかな?


 冒頭や噂話の中の『銀色の狼』など、特に色へのこだわりが強く出てる。

 色々なモチーフを散りばめた、神秘性を前面に押し出した文章が印象的で、世界の雰囲気作りが上手であり、終始一貫していたところがとても良かった。

 カトリック好きは、間違いなく好きな雰囲気の作品だと思う!


 さて。

 神隠しの正体について、校内の噂では「神(銀色の狼)」、ウィリアム曰く外では「人為的」、マルヴィナ先生からは「悪魔」という可能性がそれぞれ示されていましたが、果たして正解はどれなのか。

 物語の神秘的な雰囲気と、美しくも少しもの悲しげな文章の印象、情報の出し方から何となく「悪魔」かなと思ったんですが、どうなんでしょうね?

 現時点ではまだ答えは未知数な気がします。


 個人的には、その悪魔が実はウィリアム、もしくはリリアンの窮地を救ったマルヴィナ先生が実は悪魔祓いとかだと非常にエモいです。

(もう、妄想モックモクです!笑


 しかしそれにししても、この主人公・リリアン。現時点ではかなり謎に包まれていますよね。

 『塗装も剥げた管理もされていないベンチに親近感を抱く』という事は、自分もあまり手入れされずに放置されてた?

 あまり家族に大切にはされていない?

 自分のかねてからの願いについて『自分自身が、この願いの邪魔をしているにも関わらず』と言っているけれど、もしかして誰かからそう言われ続けて生きてきた?

 っていうかリリアン、噂を本当に信じてる?

 ……私、何となくリリアンは、「綺麗に終われたら何でも良い」と思っている様な気がするんですけど。

 幸せになって欲しいんですが、もしかしたら彼女にとっては死こそが救いだと思ってるのかも、などなど。


 バックボーンが随所で見え隠れしているお陰で、妄想がかなりはかどりました。どうもありがとうございます。(←


 そして最後に。

 なんかこの作品、冒頭と最後が繋がっちゃってるんですが、もしかしてここで終わり(続きが無い)なんてことは、無いですよね……?

 無いですよねっ?!(絶叫



(3)「惜しい!」ポイント

 「Web小説の冒頭としてどの情報がほしいか、感想が欲しいです」との事なので、その点について触れようと思います。

 

 Webにするなら、もう少し物語のゴール(表向きの目的)が明確に見えていた方が良いかもしれないなと思いました。

 というのもこの作品、この感じだと現時点では色々な方向に作品の舵を切れる余地があるんですよね。


 例えば、リリアンにとって唯一の救いであるっぽいウィリアムとの恋愛エンド(神隠しが絡んで来るけど最後は結局恋愛ハッピーエンド)。

 神隠しの裏に隠された真実にスポットを当てた、神秘系ミステリー。

 はたまた悪魔を退治する、陰で暗躍エクソシスト系現ファン全振り。

 もしくは、美しくも悲しい、神を信じ祈り続ける盲目系信心もの(メリバ系)。


 もちろん実際にWeb投稿をすればジャンル分けされるので物語の主眼は今よりもっと分かりやすくなるとは思いますが、Webは特に冒頭を読んだ時点で「○○が△△する物語」と明確に言える分かりやすい物語の方が人気が出やすい傾向にあるので、一度冒頭でのゴール(もしくはアンチテーゼ)の明文化を検討してみても良いかもしれません。


 あ、あと、一番最初のリリアンが神隠しの正体らしきものと出逢ったシーン、どちらも少女表記だったので、途中で私・野菜ばたけの脳みそがバグって「あれ? どっちがどっちだったっけ?」状態になってしまったので、Web掲載をするのであれば頭弱めな人の為に、二人の呼び名を工夫してみても良いかもです。

 

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