バス通りの花屋 修正版として
小笠原雅
第1話夢の話し
1、夢の話し
私は同じ夢を繰り返し見る。
子どもの頃山に迷う込んだ事がある。その時のうっすらとした記憶が夢に出てくるのだろう。
それは。
暗い山の中、小さな小屋が建っていて、その小屋から灯りが漏れている。
その建物は木の板を縦に貼り付けただけで、山の中の作業倉庫のような物だったんだろうか。
暗闇に内側の灯りで浮き上がり不思議な雰囲気が漂って不安になった。
壁から灯りが漏れている穴がちょうど目の高さにあったので覗いてみる事にした。誰かいないかと何気なく覗き込むと。
そこから見えたのは裸の大人の女と男。女の白い肌がクネクネと動いていている。
艶めかしい動きで身体を畝らせ、その女は苦しそうとも、嬉しそうとも取れる変な声をあげている。
浅黒い裸の男が、抱き抱えるように女の上に覆い被さり、女の身体をジュルジュルと音を立てて舐め回し、興奮した息遣いで夢中になっている。女はそれが嬉しいらしい。男の頭を大切そうに抱えこんだり、髪毛を掴むように引っ張る様にしながら時々耳もとで何か言っている。
そんな中男は行為をやめて起き上がり「誰だ!」と怒鳴り出した。
場面が変わり、追いかけられてる夢になる。美月は山の中を駆け降りている。追いかけられる気配が強く恐怖が膨れ上がる。
一生懸命走り、もう大丈夫かと後ろに向き直った時に、足を木の枝に引っ掛けた。運悪く倒れた場所に切り株があって。お腹を強く引っ掻いてしまった。
手を当てると血が滲み皮膚の痺れが身体中に広がる。痛みを弄った両手が血で染った。
自分の叫び声で目が覚めてしまうのだ。
怪我だけは夢じゃない。実際に山迷い先の尖った木の枝でお腹に大きな怪我をした。
その前後の記憶が思い出せない。
美月のお腹には今でも痕が残っている。
バス通りの花屋 修正版として 小笠原雅 @yasutomi7536
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。バス通りの花屋 修正版としての最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます