第2話 峠で負ける
仏壇カラーのRZ250が発売され、皆が腰を抜かしたんだ
水冷だし、チャンバーが標準装備 リアのモノサス
速攻で買って峠デビュー バイト代が全部吹き飛んだ
そんなこんなで1年半頑張って
クリップオンになって バックステップにして 逆リンクにもした
峠でそこそこの序列に付いていたが
下りがヘボい でも皆もやっぱりヘボいので そのことには触れない
この峠のトップエンドの組は鈴鹿や袋井を経験してる組
袋井の
1コーナー左に下りながらのアクセルの開け直をしてスプーンへとか
最終コーナー立ち上がりで200 そこからええだけ下っていくストレート
鈴鹿の
1コーナー 下って行っての右とか
まっちゃんを過ぎて下りながら開けきるとスプーンとかを
熟してきてる組なので下りもバカっ速
相手にしたらコケる未来しか見えないので譲る
偶に速いRG250が来て、下りで煽られまくるという悲しい現実が待っていた
そうは言っても、パワーもフレームもタイヤもRZ250が上
登りでは、ミラーのカスにする
そのRG250の彼女(そう女性だった)とも峠の麓の自販機で話すようになって
「ポニーテールでノーヘルで走ってみてよ」と男どものリクエスト
その大本は俺が、高校の時に CB50 に乗ったロングヘアの女性がポニテで
国道を走っていく姿が、あまりにもカッコよかった と話した事が始まりだった
「いいわよ このバイクも最後だし」とやって見せてくれて
「美人は何やっても美人」と名も知らぬ彼女に見惚れる峠小僧達
翌週、青いフルカウルのバイクに登りで煽られまくる
下りは千切られミラーのカスにされた
麓の自販機で皆で凹んでいると、青いフルカウルの最新のガンマが停まり
メットを脱いで首を振りポニーテールのロングヘアを揺らす
RGの彼女がガンマに乗り換えて「登りも負けないわよ」と宣う
峠小僧の俺達 一斉に下を向く
そんな時に、ある噂を聞きつける
また、その噂の出元が 小さな巨人のオヤジとくれば盛り上がる
グローブを買いに行った時に、オヤジから直接聞いた噂だしな
しかも、俺は行きつけのバイク屋と言うか、自動車整備工場のオヤジから
その現物を譲り受けて、持っていたりした
今宵も深けたようで
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