第8話 ゲーム①


「つまり誰が最初に子豚ちゃんの精子を出させるかってゲームだよね?」


「そういうこと」


「若菜。それだと最初の人が有利じゃない? ゲームなんだからそこは公平なルールが必要だと思うよ」


「雅の言う通り、ルールはいるかな。じゃ、順番はじゃんけんとかで決めて一人五分の持ち時間でやろうか。じゃんけんの勝敗もゲームを有利に進められるポイントになってくるからね」


「ねぇ、ただのゲームじゃつまらないから罰ゲームをしようよ」


 花岡はあざとく言い放つ。


「罰ゲーム? 何をするつもり?」


「精子を出せなかった人は子豚ちゃんとS●Xっていうのはどうかな?」


「それって出せなかったら全員。出せたら誰もやらなくていいってこと?」


「そうだよ。それで精子を出した時間が一番早い人は罰ゲームを受けた人にどんなプレイをするか指示が出来るっていうのはどうかな?」


「なるほど。それは面白いかもね」


「子豚は我慢すれば得。我慢できなかったら私たちが得ってわけか」と、葛城は頷く。


 全ては俺の息子次第という訳だ。だが、それは言い方を変えれば俺にとってどちらも得なのは? あえてそこまでは言わないようにした。


「あの、話が勝手に進んでいるみたいだけど、俺の意見は聞かなくていいんですか?」


「あんたは黙っていなさい。子豚」と、花岡は冷たく言い放つ。


「は、はい」


 そしてそのまま誰が最初にやるかじゃんけんが始まった。

 順番の結果、一番手は葛城。二番手は花岡。最後は黒川という並びだ。


「よし。最初は私か。一分でイかせてやるよ。ほら、ズボン脱ぎな」


「え、ちょっと。いきなりですか? 心の準備が……」


「はーい。手間かけさせないの」と、花岡は俺を押さえつけてそのままパンツまで脱がされる。こうも簡単に俺は女の子の前であそこを晒してしまった。


「じゃ、私がタイムキーパーするね」と、黒川はスマホのストップウォッチ機能を起動させた。


「ふふ。私の手コキでイかなかった男はいないんだから」と、葛城は勝負の意気込みをぶつける。


「ちょっと。本当に始めるんですか?」


「抵抗するだけ無駄だよーん」


 花岡は後ろからしっかり俺を固定する。抵抗しようと思えば出来るが、する意味がないのが大きい。そして俺の息子はぷらーんと情けなくぶら下がっている。

 俺はもうダメかもしれない。あとはお前に託すぞ。息子よ。

 そう思いながら俺は全身の力が抜けていた。


「じゃ、いくよ。よーいスタート」ポチッとゲームは唐突に始まってしまう。


 ちゅるりと葛城はいきなり唾液を俺の息子に掛けた。

 すると素早い動きで手コキを始める。


「うっ!」


 何だ。これ。すごく気持ちいい。イキそう。一瞬で俺の息子は勃ってしまう。

 だが、この攻撃を耐えれば俺は葛城とヤれるってことだよな?

 是非、耐え抜いてヤリたいと思う。

 そうは言っても気持ち良さが勝ってそれどころではない。


「オラ。早くイケよ。手間取らせるな。子豚」


 その罵倒が更に興奮を上げる。

 シコシコシコシコシコシコッと葛城の手は分身をしているように複数見えた。

 手の動きが全く見えないくらいに。

 こんなに早くされたらどうなってしまうのか分からない。


「一分経過!」


 最初の一分を耐え抜いた。これを後四分耐え抜かなければならない。

 本当に耐え抜くことができるのか心配だ。

 だが、この手コキは早過ぎる一方、気持ちいいから痛いに変わる。

 息子を犠牲にするが何とか耐え抜くことはできるか?


「あ、もう一分か。ならこれでどう?」


 葛城は手の動きを変える。

 亀頭を撫ぜるようにスッと手を滑らせる。

 先ほどの素早い手コキとは違ってゆっくりな分、刺激が遅れてビクビクと揺れる。

 技を変えた? これはこれで少しヤバいかもしれない。


「あ、はぁ、うっ! ダメ」


「我慢するなよ。一気に出していいからさ。私が受け止めてやる」


 葛城に似合わない優しい言葉にイく寸前だった。逃げ場はどこにもない。

 スーッと溶けるような指触りに俺は失神する。


「うっ! あ、ダメ。い、いく!」


 ピューッとついに俺は我慢ができなくなって精子を放出させてしまった。


「出た! 雅。タイムは?」


「二分二十三秒」


「ちっ。新記録は出なかったか」


「新記録って自己ベスト記録なんてあるの?」


「昔、一分でイかせた奴いたよ」


 葛城は男の潮吹きについて自慢するように語った。

その手の遊びは経験済みなんだろう。

 だが、今ので俺は葛城と性行為はできなくなってしまったと理解する。

 葛城が怖い見た目だが、エッチをする時って可愛い顔をするのかな?

 少し残念に思えたが、まだチャンスはある。

 次こそ耐えてみせると俺は意気込んだ。

 ギャル三人組は俺に屈辱を味わせているようだが、実は喜んでいる自分がいた。

 これこそ最高のご褒美ではなかろうか。

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