第217話 三年次剣帝杯 4

 前書き


 どうも作者のイコです。 


 ここまで読んでくださった読者様ならば大丈夫だと思いますが、一応注意喚起です。 

 

 過激な表現を使っております。

 性描写が苦手な方は、読まれなくても話的には問題ないのように、次の話で書いておきますので、次の話までお待ちください。


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【sideダン】


 俺は騎士として認められて、剣帝杯に出る必要がないと姫様に言われたが、これは俺にとってのケジメみたいなものだ。

 アレシダス王立学園に入学したとき、俺は騎士になることを目標にしていた。それは、剣帝杯で優勝して騎士になると……


 剣帝杯は、準優勝を果たして、騎士にもなれた。

 だけど、やっぱり俺は優勝したい。


「絆の聖騎士ダン」


 対戦相手が現れる。露出の多い皇国のくノ一カスミ。

 ガッツさんに指導を受けるマルリッタを戦場で撃破した強者だと聞いている。

 相手にとって不足はない。


「くノ一カスミ。悪いが、実力的には俺の方が上だ。忍びは、多種多様な技を使うという。だが、魔法耐性をこの二年間で強化した。もう、どんな方法でも俺は屈しない」


 一年次の時、アイリス・ヒュガロ・デスクストスの魔法によって、何をされたのかわからないまま負けた。

 二年次の時、ナターシャに、一服盛られて決勝の舞台で負けた。試合が始まると同時に、腹の調子が悪くなって、それは試合中に段々と酷くなり、俺は負けた。試合が始まる前に決着していたことに気づけなかった。


 今回は、魔法耐性をあげて強力な属性魔法でも跳ね返せるように鍛えた。

 一服もられることにも気をつけて、食事は全て自分で作ったものだけを食べるようにした。異常攻撃にも免疫をつけた。


 どんな攻撃でも聖剣の力で耐えてみせる。


 俺は万全の準備をして、ここまで着た。

 昨年の剣帝杯が終わって、アーサー師匠は、自分の修行に入るためにいなくなってしまった。今の俺ならアーサー師匠との約束を果たせるはずだ。


 三年次の学生剣帝杯が終わった後に開催される。

 王国剣帝杯、そこでアーサー師匠を超える。


【実況】「第四試合、開始!!!」


 実況の声が響いて、俺は剣を持って走り出す。

 その瞬間、視界がブレる。これは、ダメだ!

 剣を太ももに突き刺して意識を保つ。


 もしも、アイリス・ヒュガロ・デスクストスと戦っていなければ、自分の変化に気づくことはできなかった。


「耐えた? ふふ、凄い」


【実況】「おおっと! ダン選手、どうしたことでしょうか? 開始早々に自分の足へ剣を突き立てた!」

【解説】「カスミ選手から、何か仕掛けた様子はありませんでした。どういうことでしょうか?」

【実況】「なっ! あの顔は! アヘ顔です。ダン選手! 試合中に自分の太ももに剣を突き立てて、エクスタシーを感じている!!!」

【解説】「これは! どう表現すればいいのか、私はわかりません」


 俺は自分の中に入り込んだ何かによって、苦しめられている。

 それに抗って抵抗するが、辛い。

 

「我らが皇国に伝わる秘薬。それは我々くノ一が使えば特別な効果を表す。風に乗ってあなたの体に入り込んだ秘薬は我々の血に反応して、性本能をむき出しにする」


 くっ! こんな物で屈するものか、俺は絆の聖騎士なんだ。


 必ず優勝して俺は……


「男は、女のフェロモンに抗えない。お座り」

「キャウン!」

「私がこれを使っても、言うことを聞かせられなかったお方は一人だけ」


【実況】「カスミ選手の前に、ダン選手が腹を向けているぞ!!! この光景は、まるで二年前に見たアイリス選手との戦いを彷彿とさせる」

【解説】「カスミ選手の忍術によって、潜在意識に植え付けられていた。本能が呼び覚まされたのでしょうか? 痛みよりも強烈な体に刻み込まれた因縁。それはダン選手の根本にある願望を呼び覚まして、体を突き動かしたのでしょう」

【実況】「カスミ選手は、ダン選手を見てもいませんね。その視線の先には観客席を見ています」

【解説】「観客席には、皇国の人々も観戦に来ておられますからね。そちらに視線を向けているのでしょう」


「あの方に全てを捧げたい。私では屈服させられない方。はぁ、好き。あなたはもういい。降参しなさい」

「ワン!」


【実況】「こっ、これは決着なのでしょうか?」

【解説】「どうなんでしょうか? ですが、ダン選手は鎧を脱いで、パンツ一枚でカスミ選手に腹を向けてしまっていますからね」

【実況】「そっ、それでは第四戦目、カスミ選手の勝利です!!! 昨年の準優勝者ダン。敗北は、幸福? あっいえ、降伏です」

【解説】「自らの痛みにでも快楽を覚える。シン・変態性駄犬の称号は年々パワーアップして揺るぎようがありませんね」


 俺が次に気づいた時、ハヤセが物凄く冷たい目をしていた。


「ダン先輩……ハァ、本当に私がいないとダメダメっすね」

「あっいや、俺は負けたのか?」

「負けたっす。完全に負けたっす。しかも、他の女に屈服させられて負けるとか、教育が必要っす」

「ひっ!」


 ハヤセがいつも以上にサディスティックなお顔をされておられる。

 しかもどこから持ってきたのか、真っ黒な皮のピッチリ肌に張り付く衣装に、高いピンヒール、手には馬を走らせる時に使う鞭を持っている。


「はっ、ハヤセ?」

「ダン先輩は、誰にでも腹を見せる駄犬っす!」


 ハヤセが一切手加減をしないで、鞭を俺の体へと叩きつける。


「キャウン!!!」

「私以外に、腹を見せない体にしてあげるっす! そうすればもう誰にも負けないっす。ダン先輩は最強になるっす!」

「ありがとうございます!!!!」


 いつも以上に激しい夜が過ぎていく。

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