　オロポというものをご存じでしょうか。

　サウナー（サウナ愛好家）界隈では、オロナミンCとポカリスエットを混ぜた飲み物をオロポと呼び、それを、サウナ後（又はサウナ間）の水分補給として愛飲しているのです。

　愛飲されているのだと思います。

　今でも。たぶん。

　しかし、オロポというのは元々、もっと違う物の略称だったのです。

　「三度のメシとサウナが大好き」でおなじみの真田（さなだ）楼龍（ろうりゅ）さんは、サウナ後の最適な飲み物の探求に明け暮れていました。

　スタンダードな物から始まり、ソルティドッグやら、塩水やら……まあ色々な物を試したあげくに辿り着いたのが、おろしポン酢でした。

　ロウリュさんは、おろしポン酢のことをオロポと略し、多くのサウナ仲間に勧めました。

　残念ながら、ちょっと上級者向け過ぎて、サウナ後のおろしポン酢は全然広まらなかったのですが。

　いつの間にかオロポという言葉が一人歩きを始め、オロナミンC＋ポカリスエットの混合飲料として流行したのは、皮肉なことです。

　余談ですが、別の界隈では、また異なる言葉を略してオロポと呼びます。

　オーロラ観測ポイントとか。

　大蛇（おろち）のポシェットとか。

　コオロギ印のポン菓子とか。

　愚か可愛いポメラニアンとか。

　オロオロするポセイドンとか。

　オロポという言葉は、このように、話し手や聞き手によって全く意味が変わるのです。

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