ヌン活

 ヌン活をご存じでしょうか。

 そう。"アフタヌーンティーを楽しむ活動"の略ですね。


 しかし、あなたは考えたことがあるはずです。

「ヌン活って略し方はおかしいだろ」と。

 それもそのはず。

 ヌン活というのはそもそも、もっとヌン活と呼ぶにふさわしい、ヌンヌンしたものを示す言葉だったのです。


 つまり、こういうことです。


 穏やかな秋の午後。

 あなたは、「ぬん」が口癖のシカやカワウソと一緒に、アフタヌーンティーをゆるゆると楽しんでいます。

 と、そこに。

「ぬゥン!!」

 という雄叫びとともに、ヌンチャクを振り回し全てを破壊する半裸の巨漢が乱入!

 叩き壊されたティーセットやテーブルの破片か、日の光でキラキラと輝きます。

 いつの間にか、シカとカワウソは忽然と姿を消していました。

「二匹逃げたか……だが無駄だ。既に他のヌンチャクマンたちがここらを包囲している」

「……!」

 その言葉を聞き、駆け出そうとするあなた。

 しかし、巨漢が立ちはだかります。

「お前は行かせん」

「…………」

 覚悟を決めたあなたは、チタン性のティーポットを右手に構え。

 シカとカワウソの顔を思い浮かべながら、呟きます。

「死ぬんじゃねえぞ……」

 とかなんとか。

 うんぬんかんぬん。


 そんな感じのやつが、真のヌン活です。

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