平城京エイリアン
天平勝宝4年(西暦752年)。
平城京は、
多くの惑星を攻撃・侵略してきた強大な宇宙人に対し、抗うすべは無いかに思われた……が。
平城京には、守護神がいたのである。
その守護神は、身長が30メートルもある頑丈な巨人で、しかも念動力を操ることができたと伝えられている。
宇宙人たちが光線銃で武装し攻めてきたとき、守護神はまず、念によるバリアで平城京全体を守った。
しかし、守護神ひとりに対し、相手は多勢。
長期戦になれば、バリアが破られるのは時間の問題である。
いや、平城京に住む人々の食糧が尽きるのが先か。
そこで、守護神はバリアを維持しつつ、念動力でバリア外の宇宙人たちを攻撃した。
「馬鹿な! 守りながら、これだけの
「ひるむな! どうせ長くは保たん!」
「しかしこりゃあ……下手すると、先にこっちが全滅ですぜ!」
そのようなやり取りがあったかは定かではないが、宇宙人たちはたまらず逃げ出した。
守護神は、平城京の防衛に成功したのだ。
だが、守護神のほうもただでは済まなかった。
力を使い果たした彼は、念動力を操るときの独特なポーズのまま、全身がブロンズ像のように変質し、動けなくなってしまったのだ。
そうして彼は、長き眠りについた。
人々は彼を安全な場所に運び、そこに東大寺を建てた。
これが、有名な奈良の大仏の、知られざる真実である。
全国各地に残る仏像や大仏には、守護神やその仲間たちが変質してしまったものもあるし、それを模したものもある。
また、守護神も実は宇宙人だったのではないかという説もあるが、真相は定かではない。
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