　マッシュルームをご存知ですか、と私が尋ねたら。

　それくらい知っとるわボケェ、と貴方は答えるでしょう。

　しかし、待ってください。

　ここで私が言っているマッシュルームとは、キノコのことではないのです。

　部屋のことなのです。

　むかしむかし。

　といっても、そんなに昔ではありませんが。

　あるキノコ狂科学者（マッシュサイエンティスト）・通称ドクは、こう考えました。

「味の良い様々な種類のキノコを部屋中に大量に集め、それらの味をぎゅっと凝縮して一つのキノコに閉じ込めれば、究極のキノコが誕生するのでは？」と。

　こうして、ドクがまず作ったのが、キノコ部屋（マッシュルーム）です。

　そこからさらに、究極のキノコを作り出す……計画だったのですが。

　それは、なかなか出来ませんでした。

　というより、キノコ部屋を作った時点でなんかけっこう満足してしまい、研究が進まなかったのです。

　ドクは、いうほどキノコ狂科学者（マッシュサイエンティスト）ではなかったのです。

　自称だったのです。

　結局、キノコ部屋に集めたキノコたちの味の平均をとったキノコを作ることは出来たので、ドクはそのキノコを、マッシュルームと名付けました。

　当初の目的は達せられませんでしたが、なんだかんだいって美味しいので、マッシュルームは今でも多くの人に食されているのです。

　ちなみに、マッシュルームをたくさん集めた部屋をマッシュルーム部屋（ルーム）といい、それらの味の平均をとったキノコが、マッシュルームルームです。

　さらに、マッシュルームルームを集めた部屋を……

　（以下、果てしなく続く）

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