みたらし団子
みたらし団子をご存じの方は多いでしょう。
しかし、みたらし団子の『みたらし』とは何か。
これをご存じの方は少ないと思われます。
今回は、みたらしの由来についてのお話をいたしましょう。
みたらしとは、『蜜垂らし』の略ではないか。
蜜のような、甘く香ばしい醤油だれを垂らした団子のことを、最初は蜜垂らし団子と呼んだ。それが後に省略されて、みたらし団子となった。
蜜垂らし、みつたらし、みたらし……
ありそうな話ですね。
でも不正解。これはみたらし初心者が陥りがちな罠です。
では、正解は何なのか。
実は、みたらしという名は、江戸時代中期のある逸話から生まれたのです。
町人の子どもである
あたりに人気もなく、帰り道もわからず、大好之介は途方に暮れます。
そんなとき、突然、視界の向こうに茶屋が現れました。
その茶屋で大好之介は、見たこともない、黄金色に輝く団子を目にします。
「団子に導かれたのかもしれない」とのちに大好之介は語っています。
茶屋の主人が団子をすすめるので、「金がない」と言うと、「タダでいい」と言って、なおもすすめられます。
でもなんだか悪いことをしている気がして、大好之介はなかなか団子に手を付けられませんでした。でも美味そうだし腹も減っているし……と迷っているうちに、今度は視界がどんどんぼやけてきて……
気づくと大好之介は、自分の住む町に戻ってきていました。
大好之介はその体験を大人たちに話しましたが、そんな茶屋はだれも知らないと言うし、大方、歩き疲れて眠って夢でも見たのだろうと決めつけられます。
でも、大好之介にはあれが夢であるなどとは思えず、そしてあの茶屋を、特にあの食べそこねた団子を、忘れることなどとうていできなかったのです。
大好之介は、そのことを兄の御団子
兄はわずかな手がかりを元に、団子の再現にとりかかります。
そして、8か月後。
苦労の末、ついに再現された団子は、大好之介のみならず、近所の皆をとりこにし、大いに評価されます。これが、みたらし団子の始まりでした。
大好之介が見たらしい団子。
見たらしい、みたらしい、みたらし……
それが、みたらし団子の名前の由来なのです。
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