第8話 縦書き脳

 始めた訳は忘れたが、「三年日記」も三冊目の三年目になる。

 一冊目の三月…東日本大震災! 大槌町や陸前高田市の医療支援を思い出す。

 二冊目は宮城県へ飛び…気仙沼市や南三陸町の支援生活。

 そして「盛岡ぐらし」の三冊目には、ピンク色の表紙を選んだ。


 日記を付ける理由は? 

 備忘録として日々の記録を残すことであり、特に三年日記は後から役立つ。

 上段(一昨年)と中段(昨年)の記録を眺め、今日の分を下段に書き込む。その時々の意を筆のままに綴ることもある。


「意到筆隋」と聞くが、日記とエッセイ(随筆)の違いは何だろう。

 岸本葉子氏の定義は明確。

 エッセイとは、「自分の書きたいこと」を「他者が読みたくなるように」書くこと。

 更に「へえーっ、そうなんだ、と読者に思ってもらうことを目指す文芸だ」とも。


 井上ひさし氏の指南はレベルが高い。

「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く、面白いことを真面目に、真面目なことを愉快に、そして愉快なことはあくまで愉快に」と。


 エッセイにこだわるのは、昨年9月から連載が始まったせいだ。

 内容は無論だが、体裁にもこだわっている。

 パソコン画面と紙面では、改行の関係で印象が変わる。

 そこで今は、「モリオカNOW」紙面を想定し、18字×43行の縦書きレイアウトで打っている。


 パソコン画面を縦書きにしたら、作文の思考回路まで変わった。

 それにしてもパソコンの作文機能は素晴らしい。

 レイアウトの変換も自由自在で、文字通り「縦横無尽」の活躍。

 

 さすがはMy「脳の杖」だ、と褒めておこう。


 平成最後の「書初め」を打っている。

 気持ちは既にエッセイスト、それも締め切り間近の連載作家。


 気がかりなのは「他者が読みたくなるように」書けているかどうか…。


(20190114)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る