女子みたいなカラダのボク、あやめっち
ヤッキムン
第1話
ボクはロンドンで生まれた。
テムズ川のすぐ側に住んでいた。
テムズ川のほとりをベビーカーで、よく散歩していた。
テムズ川のほとりから眺めるロンドンも、ロンドン塔も見えたりして、けっこう雄大な景色だ。
ロンドンの歴史も感じられる。
英国文化の香りも漂っている。
そのあとパリに行った。
パリでも、セーヌ川のほとりに住んでいた。
セーヌ川のクルーズ船に乗って、パリの街を眺めてた。
そして中3の時に、大阪の中学に転校した。
そしたら、大阪の家の、ボクの部屋では、霊の存在を感じた。
ボクは、ちっちゃい頃から女の子みたいな体だったんだけど、中3になったら、ますます女の子っぽくなっていった。
部屋の霊は、夜、寝てたら、ボクの体を優しく抱きしめて、愛撫して、顔にキスしはじめる。
毎晩、毎晩、現れる。
数カ月したら、どうも、なんとなく、女の子の霊のように思えてきた。
ボクのことをたぶん好きなんだと思う。
昔、その女の子とボクとは知り合いで、その頃からずっと、その女の子はボクのことを好きだったのでは...って思えるのだ。
何カ月も、ずっと、女の子の霊に、毎晩抱きしめられて、キスされているうちに、もともと女の子みたいな体だったボクは、もっともっと女の子みたいな柔らかくて曲線的な可愛い体になっていった。
霊の女の子は、芸術家みたいな感じする。
「芸術に対して、いつも高い意識を持つように」
とボクにメッセージを送ってるようなのだ。
ボクは、もしかしたら、その女の子の弟子だったのだろうか。
ボクの師匠である、その霊の女の子は、ボクに対して、芸術論を説いているみたいだ。
だから、ボクも、ぶっちゃけ、なんとなく、いつでも、芸術に対し、意識を高く持つようになってきたと思う。
そうして、中3の1年間を、その霊の女の子と過ごしていて、高校受験になり、私立高校と府立高校に合格し、府立高校に進学することにした。
中3のボクは、勉強しながらも、ノートに、えっちな絵を描きたくなって、いつも、女の子のえっちな姿を描いていた。
えっちな女の子と、ボクとで、えっちしている絵をめっちゃ描いていた。
絵に描いてる女の子は、霊の女の子なのだろうか。
昔、その女の子とボクとは、絵に描いたように、えっちしていたのだろうか。
高校生になったら、霊の女の子は、現れなくなった。
そのかわり、高校のすぐ近くに、伊勢寺のあることを知った。
百人一首などで知られる伊勢さんのお寺だ。
伊勢さんの句は、ボクも、ずっと好きだった。
ボクは、伊勢さんに導かれて、今のボクの高校に進学したのだろうか。
部屋には、女の子は現れなくなったけど、高校への通学途中にある、伊勢寺の近くを通るたびに、なんと言うか、懐かしい...というか、いとおしいっていうか、なんか、胸のキュンキュンするような感じになってしまうのだ。
女の子は伊勢さんなのだろうか...
女子みたいなカラダのボク、あやめっち ヤッキムン @yakkimn
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます