第3話
小学校を卒業した。
中学は、松山城に至る山の途中にある。
毎朝、松山城へと緑あふれる木々の道を登って行く。
小高い場所にあるので、松山の町並みも見渡せる。
中学に進学したら、ボクは少年少女合唱団のほうも卒業したけど、そしたら、空里も真似して、いっしょにやめてしまった。
空里は、いつもボクの真似をしたがる。
中学の入学式は、桜もめちゃめちゃきれいだった。松山城全体もきれいだし、中学も、めっちゃきれいな桜に包まれていた。
美術の時間に、松山城と松山の景色を描いた風景画で、中学生絵画コンクールの金賞を受賞した。
ボクは美術部に入って絵を描きはじめた。
空里は、市の温水プールに通って、水泳にうちこんでるみたいだ。
ボクの中学は、松山城の中腹にあって、なかなかに歴史のある中学なので、音楽教室から、誰もいないのに、ピアノの音、聴こえてきたりしている。
ボクも放課後、美術教室で、絵を描いていて、家に帰って、次の日、来てみたら、誰かにボクの絵の続きを描かれていたりする。
ピアノの音と同じで、誰か、ボクの絵に描き足してるのかなあ~って思ってる。
ピアノの音も、けっこう上手かったりするけど、ボクの絵の続きを描いてる子も、なかなか絵の上手い子みたい。
風景画の緑の葉っぱに、その誰かは、いろんな緑の色を描き足していて、かなり奥深い木々の緑になってて、びっくりする。
ちなみに、中学生絵画コンクールで金賞を受賞した風景画は、すべてボクだけで描いた絵だよ。誰かに描き足してもらっては、ないよ。
あと校庭で誰も走っていないのに、大勢で、だっだっだっだっと走ってる音も聴こえてきたりする。
まあ、どれも、いつの時代かの、中学生なんだろうなあ~。
今でも、この中学で、今の中学生といっしょに、中学生をしているのかもなあ~。
そんな歴史ある、由緒ある、良き中学だったけど、中2になる時に、沖縄県那覇市の中学に転校することになってしまった。
松山も良き街だった。めっちゃ好きだ。
瀬戸内の海もきれいで、空里も、その海で、泳ぎを覚えて上達していた。
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