第3話

ボクはロンドンで生まれた。

家はテムズ川のほとりにあった。

ベビーカーに乗って、テムズ川のほとりを散歩していたら、ロンドンの可愛い女の子と、よくすれ違って、おたがいに笑っていた。


ママといっしょに大英博物館に行くために、大通りを渡ろうとしていたら、横に、ちっちゃな赤ちゃんを抱っこしたロンドンの若~いママさんも、ボクのママと同じように渡ろうとしていた。

「ロンドンの車は、めっちゃビュンビュン飛ばしているから、ちっちゃい子を連れてると、大通りを渡るのも大変ですわね~」

ってロンドンのママさんは、ボクのママに言っていた。

ボクのママは、大阪の人だったから、

「大阪も、車めっちゃ激しいですけど、みんな、うまいこと渡ってはりますよ~。ロンドンも大阪も、ピーターラビットのいるような田園地方ではないですからね~」

って返してた。

それから2人でいっしょにササッと大通りを渡っていた。


ママとは、ロンドン動物園にも行った。

ネコや、ローラースケートの、ミュージカルも観に行った。

2階建てバスにも、よく乗っていた。


パパには、肩車されて、テムズ川の周辺を散歩していた。


ママは服を作るの、めっちゃ好きみたいだったから、ボクは、ママの作った服をいつも着ていた。


ママとパパは服を作っていて、それをロンドンのお店で売っていた。


パパのパパはアメリカ人で、カリフォルニア州のサンフランシスコでクリーニング店をやっていた。パパのママは日本人で、サンフランシスコでいっしょに住んでいたけど、ロンドンにも、よく来ていて、ママとパパの服のお店の手伝いもやっていた。


ボクはサンフランシスコにも行ったことあるけど、ケーブルカーの通る道沿いにある、可愛いクリーニング店だった。

クリーニング店で、アクセサリーもいっしょに売っていて、手作りのめっちゃ可愛いアクセサリーいっぱい置いてあった。


ボクは女の子みたいだったから、ロンドンでも、サンフランシスコに行っても、みんなに女の子だと思われていた。服も女の子みたいな可愛い服ばっかり着ていた。ボクも女の子みたいな服、ちっちゃい頃から、めっちゃ好き。帽子も好きで、出掛ける時には、いつも可愛い帽子をかぶっている。


幼稚園にあがる前くらいから、ロンドンでピアノを習いはじめた。みんな女の子ばっかりだったけど、ボクも女の子みたいだから、みんなと仲良く、好きなピアノを習ってた。

ピアノの先生は、音楽に関して厳しい先生で、練習の時も、めっちゃ厳しかったから、ママとパパは、ほかの先生にしようかって話してたけど、ボクは厳しい先生でいいって言って、練習を続けていた。まわりの女の子も、みんな真剣に習ってて、ボクのことも応援してくれていた。

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