第2話

文学部キャンパスの門をくぐったら、

「マンドリンのサークルですけど、今から、新入生のための演奏会をやりますので、聴きに来ませんか?」

って可愛い女の子に声をかけられた。

「いいですよ~」

って言って、その女の子について行った。

文学部キャンパスの敷地の右端に、音楽系サークルのいっぱい入った、音楽長屋と呼ばれる建物あって、そこに入って行った。

「文学部なんですか~?」

って女の子に聞かれた。

「文学部です~」

「わたしも文学部2回生ですよ~」

文学部の先輩だっ!

って思った。

音楽長屋では、いろんな音楽系サークルの人たち、みんな、それぞれの楽器の練習をしていたり、歌を歌ったりして賑やかだ。

真ん中の廊下を2人で歩いて行って、つきあたりの部室に入ったら、マンドリンのサークルの先輩たち、みんな、イスに座って、演奏の準備をしていた。

そのまわりで、ボクと同じく新入生たちも、演奏の始まるのを待っていた。

「ここで聴いていてくださいね~」

ってボクに言うど、ボクを連れてきた女の子も、サークルの中に入っていって、その子の定位置に着いたみたいで、イスに座って、マンドリンをかかえて、ピックを手にして、演奏に備えていた。

それから、指揮者の手の合図とともにマンドリンの演奏、始まった。

めっちゃきれいな音色だった。マンドリンの可愛い音色に、ギターやそのほかの楽器の音色も重なっていた。

今まで、あまり聴いたことないような、民族音楽的な曲調で、ボクもやってみたくなった。

数曲を演奏して、演奏会も終わった。

「新入生のみなさん、今日は聴きに来てくれて、ありがとうございました。入部希望される方は、こちらに記入してください~」

って言われたので、ボクも何人かの新入生といっしょに、名簿の紙に、名前とかを記入していった。入部希望する新入生たちを見て、先輩方も、めっちゃ嬉しそうだった。

ボクの書いた名前を見て、

「あやめちゃんですねっ」

って言われた。

「よろしくお願いします~」

って答えた。


次の日から、部室で、マンドリンを手に持って、先輩から、弾き方などを教わった。

弦は2本セットになっていて、それをピックで、2本一気に、ピンッて、はじく弾き方だ。ボクも、可愛くてきれいな音色を出せた。


教えてくれてる先輩も、新入生のみんなも、ボクのこと、女子だと思ってるみたいだったから、そのままにしておいた。


弓道部にも、本当は、入部したい気持ちもあったんだけど、弓道のほうは、週1の体育の授業だけにしておこうかなあ~って思った。

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