女子の体のボクだから。

ヤッキムン

第1話

大学の文学部に合格した。

文学部に興味あって、文学部でめっちゃ勉強したかったから、大学も、いくつか受験したけど、ほぼ文学部で受験した。

受験した数校の中から、結局、2校に合格出来た。

どちらも、めっちゃ好きなところだったので、本当に、どちらにも行きたかったんだけど、そのうちの1校に進学することを決めた。

両親や、友達や、先生方や、いろんな人のおかげで合格出来たので、みんなに、めっちゃ感謝だ。


体育を、いろいろある競技の中から、1つ選択して授業に出なければならないので、ボクは弓道を選択してみた。

弓道の最初の授業に出席するために、弓道場に行った。

弓道の先生から、まず道具の説明の話を聞いた。

弓の使い方や、矢の使い方、それから、手袋の説明を聞いた。

「これは、女子用の手袋ですっ」

って言いながら、先生は、ボクの前に、ポンッて、その手袋を置いた。

弓道の先生は、ボクのこと、女子だと思わはったのかなあ~って思って、めっちゃ嬉しかった。

「みんな、手袋、実際に、手にはめてみて~」

って先生に言われて、ボクは、ポンッてボクの前に置いてくれた女子用の手袋を手に取って、はめてみた。めっちゃピッタリだった。ちょうど、きれいに、はまった。先生も、ボクにちょうど良いって、わかってはったのかなあ~って思った。

その手袋をつけて、最初の弓道の授業を聞いた。めっちゃきれいな弓道場やった。

弓を持って、矢をひいてみた。

ビュンと的に向かって矢は放たれて、ビシッと的に突き刺さった。

「おおーっ!」

って、先生も、側で見ていた先輩方も喜んでいた。

授業の最後に、先生に呼ばれて、行ってみたら、

「あそこの弓道部の先輩のところに行って、話を聞いてきなさいっ。先生に言われたって言えば、わかるから...」

って、先輩方のことを指差しながら、ボクに言わはった。

弓道場の壁際で、弓道の授業を見守っていた、数人の先輩方のところに行って、

「先生に言われて、来たんですけど...」

って言ったら、先輩方みんな、めっちゃ嬉しそうに、弓道部の話をボクにしてくれた。

「毎年、弓道部の最初の授業で、先生に呼ばれた新入生を弓道部に勧誘してるんです。ぜひ入部してほしいので、入部したくなったら、すぐ来てねっ。待ってますよ」

って言われて、

「あっ、じゃあ、考えておきますっ!」

って言って、弓道場をあとにした。

帰りながら、先生も、ボクのこと、女子やと思わはったのか、それとも、女子用の手袋でちょうどピッタリで良いって思ってくれはったのか、どっちなんやろなあ~って思った。

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