第29話 歴史
食糧も資源も使い尽くし、滅びに向かっていた神ナギが創造した世界の種族達。
救ったのが神セレス。
神ナギの願いを聞き入れ、神セレスが創造した世界に招き入れた。
神ナギとの約束を守り、指定された土地でのみ暮らしていた人族、魔族、獣族、エルフ族、空族、海族。
平和な神セレスの世界。
平和な平和な世界。
セレスの指示で妖精達が全ての種族に回復魔法を教えた、病気もない平和な平和な平和な世界。
平和な平和な平和な平和な時代が長く長く長く長く続いた。
妖精の存在を忘れてしまった種族か現れる。
神セレスの存在を忘れてしまった種族が現れる。
神ナギの存在を忘れてしまった種族が現れる。
全ての種族は神ナギとの約束を忘れてしまう。
長い長い時の中で神セレスの名前を忘れ、妖精の存在を忘れ、神ナギの名前までも忘れてしまった。
神セレスが創造した種族達を押しのけ、神ナギが創造した種族達が好きな土地で暮らすように。自らの領土だと宣言し、拡大させていった。その地に暮らしていた種族を押しのけ、または……滅ぼして。
神ナギはどうすることも出来なかった。
増えすぎた人口。
更に増えていく人口。
必要になる食糧の量も資源の量も増えていく。
神星暦1年。神ナギは自らの使者として勇者を召喚し、指定した土地に戻るように神託を下す。
しかし、神ナギの神託を聞き入れる種族はいなかった。
神ナギの存在は完全に忘れ去られていたのだ。
何度も何度も神託を下すがどの種族も聞き入れることはなかった。
神ナギは謝罪のために神セレスを探していたのだが見つけることは出来ず、時だけが過ぎていく。
神星暦399年。神セレスが創造した種族を全て滅ぼしてしまう。
神ナギは自身が創造した種族達が、この世界を滅ぼしてしまう前に……。
巨兵が街々を襲う。
神魔狼が街々を襲う。
巨大龍が街々を襲う。
全ての種族を滅ぼすために。
全ての種族を滅ぼそうとしていた神ナギの前にわらわが訪れた。
「え? ホーラちゃんが? あれ? ホーラちゃんは……」
「女性に年齢はご法度じゃぞ。まあ、わらわは何度も転生してるのじゃがな」
「えっ?」
「話が逸れたな。黙って聞くのじゃ」
神セレスはなんとも思ってないので、無意味だと伝えた。
滅ぼす必要はないと。神の絶対なる力を示したのだから、後は豊かなこの世界で平和に暮らし続けられる道を神として示すだけでよいのだと。
神ナギは納得していたのだが、勇者あつしから提案されたルールを全ての種族に課すことに。
各種族の人口を1万人未満に。
全ての種族の人口は巨兵、神魔狼、巨大龍に襲われ、1万未満になっていたので維持するようにと。
神星暦699年。
預言者あつしが人族の王達の元に現れ、告げる。
魔族が神ナギに反旗を上げたと。
このままでは神ナギの逆鱗に触れて、世界は滅びるだろうと。
そして現れた。
世界を滅ぼす巨兵が。
世界を滅ぼす神魔狼が。
世界を滅ぼす巨大龍が。
預言者あつしが再び現れ、世界が滅びる前に魔族を討たなければと話を。
エルフ族はエルフ王タムンヤ自らが魔族討伐に向かうと宣言する。
人族の王達は人族最強の賢者リューナに依頼。
エルフ族と人族の連合軍が魔族を倒すために魔族領へ攻め込む。
魔族は強く、連合軍は敗北する。
預言者あつしの呼びかけで、勇者ノルンと剣神セレスとわらわ妖精女王ホーラが魔族を倒すために敗北した連合軍に加わる。
戦いは互角。
しかし剣神セレスが死亡する。
勇者ノルンが死亡する。
エルフ王タムンヤが魔族と連合軍の停戦を提案し、魔族も連合軍も受け入れ、戦いは終わる。
僕は真剣に聞いたんだなけど……よく分からなかったよ。
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