第5話 進化する魔鎧
今日も1日とにかく突いた。
3日かかったけど魔剣の魔核は緑から靑色に。
これで魔剣はC級になったけど……装備している魔鎧には変化がない。
更に10日頑張って魔剣をB級に。
でも魔鎧はG級のまま。
常備スキル伝説の魔剣使いで攻撃力が20も上がっている。
魔剣はB級。
今日こそは。
僕はそう意気込み、階段を下りる。
《 バタンッ 》
頼むからね、魔剣ちゃん。
光から現れたスライムに連続攻撃。
横斬り、斬り上げ、振り下ろし~。
はぁ~震えてるよ~。
スライムはブルブルと震え、僕に体当たりを。
う~痛すぎる~。今日も同じなのか。
いい加減に萎め~。
横斬りが決まったのに、のに~。グハッ。
スライムは萎んでくれない?
あれ? 軽くなった?
少し重いと感じていた魔鎧が軽くなったような気がするのだが?
もしかして進化? 魔鎧が進化した?
これで痛みから開放されると思ったのだけど……。
グハッ。痛い~~~。ぜんぜん防御力上がってないから~。
いつものように攻防は繰り返される。
ううっ。いい加減にしてよ。あれ? もしかして……また軽くなった?
アルク
レベル1
HP 3/80
MP 35/35
もしかして僕は弱くなってないよね?
HPは大幅に増えてるのに既に瀕死の状態に。
初級回復魔法を選び使用。
さすがに、そろそろ勝てるだろうと思いながら戦っているのに終わらない。
再び回復魔法を。
それでも倒せずに最後の回復魔法を。
ううっ。絶対に僕は弱くなってるよね? ってまた軽く。軽くなるだけじゃなくて防御力も強化してよね。
アルク
レベル1
HP 2/80
MP 5/35
っていうか……負けないよね?
僕は涙をこらえて薬草玉を口の中に。
5粒の薬草玉。
いい加減に~~~。??? 萎んだ? 萎んでるよね? ね?
僕は安堵して、その場に座り込んでしまった。
【ダンジョンボス討伐達成】
【ダンジョン突破特典:常備スキル ドMの魔鎧使い】
え? え? ドM?
ドMの魔鎧使い HP50上昇、MP50上昇。
おおっ。なんか凄い。で、ドMって何?
「なわけないだろ」
「本当なんですよ~」
「はぁ~B級の魔剣にD級の魔鎧を手に入れて弱くなっただと? 今日の買取価格は金貨530枚だぞ。弱くなったアルクがどうしてこんなに稼げるというんだよ」
「え? 530枚?」
「はぁ~。アルクの稼ぎはA級冒険者以上なんだがな」
「でも……」
「でもじゃない。アルクは強い」
「本当に……弱くなってるのに……」
「はぁ~。じゃあ、試してみるか? アルクには必要ないと思っていたんだがな」
「え? 試す?」
「ギルド試験だよ。アルクはF級冒険者のままだろ。自分がどれくらいの実力があるのか試す意味でもギルド試験を受けてみてもいいと思うぞ」
「え~っと……僕はまだレベル1ですよ? レベル10になって魔物のオークを倒せるようにならないと試験には受からないって習いましたよ」
「はぁ~。実力を隠しておきたいのか」
僕は首を横にブンブンと振る。
「知りたいです。僕がどれくらい戦えるのかを」
「本当だな?」
「はい、お願いします」
「分かった。通常の試験だと意味がないだろうから特別昇級試験を頼んでやるよ」
「え? 通常の試験でもいいですよ」
「はぁ~俺に任せろ。自分の実力を知りたいのだろ?」
「はい。……お願いします」
僕はギルド職員さんに頭を下げた。
どうして、こんなにも弱くなってしまったのか原因が分からない。
魔剣のせいなのか……魔鎧のせいなのか。
魔剣と魔鎧が呪われてるってことはないよね?
「アルクお兄ちゃん、美味美味」
「アルクお兄ちゃん、このお肉も美味しいね~」
「アルクちゃん、最高~~~。アルクちゃんがE級冒険者に成れれば私も一緒に戦えるのにな~。明日の試験頑張るのよ」
「うめ~。ぷはっ。まあ、実力が違いすぎると危険だからな。俺達を仲間にしたければ、アルクも同じE級冒険者に受からないとな」
確かにそうだよね。僕が足を引っ張れば、お兄ちゃんお姉ちゃん達にも危険が。
レベル1の僕が受かるはずないけど、どれくらいの実力があるのか評価してもらえるのはありがたいかな。
「お会計は小金貨503枚になります」
え? え? え? 500? 503枚?
焼肉屋の中には知らない人が沢山。
全員僕と同じ孤児院の出身者みたいなのだが……。
う~仕方ないのか……。
僕はため息をつきながら、お会計を。
アルク
レベル1
HP 130/130
MP 85/85
EX 26
常備スキル 新たな英雄、歴戦の探索者、ぼっちの剣士、伝説の魔剣使い ドMの魔鎧使い
魔法 初級回復魔法
装備:B級の魔剣、F級の盾、D級の魔鎧
アイテム:薬草玉76粒
所持金 金貨701枚
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