【エピローグ アルス】 勇者
「アペプには誰も勝てぬよ。悪いがゼバス様側には俺は、俺達狼族はつけない」
「味方じゃなくてもいいから、中立ならどうですか? 戦いには不参加。もしくは動かない」
「それは出来ないが……戦況がアペプに有利な場合しか俺達は動かない。アペプが不利な場合は逃げ出すか、ゼバス様に寝返るというのはダメか?」
そんな虫の良いことを言う狼族の神アセナ。
しかし悪くない話しだ。狐族の神様も同じようなことを言ってたし。
ゼバス様の仲間になってくれる神様もいれば、中立を保ってくれる神様もいる。しかし敵対しようとする神様はまだいない。行き先は全てレイラの感で決めてるのだが……運がいいのか、それとも、アペプの人気がないだけなのか。
神々の戦い。
完全に巻き込まれてしまっているのだが、イリスとレイラとリースの旅は楽しい。
神々の戦いが……なかなか始まらない。
神々の戦いが……始まらない。
神々の戦いが……いつまで経っても始まらない。
神々の戦いは始まるの?
「アルス。大好きだよ。出会った頃から、ずっと」
「僕もだよ。イリス。僕もイリスのことが大好きだよ」
ベットの上で微笑むイリス。
出会った時は5歳差だった年齢が、今では25歳差に。70歳のままの僕。イリスは95歳。
「大好きなアルスと一緒の冒険。楽しかったわね。私は夢も叶った。ふふふっ。最強の魔法使いと言えばイリス。爆炎のイリス。今では知らない人がいないくらいに」
「そうだね。これからもイリスの冒険は語り継がれていくだろうね」
「満足な人生だった。心残りがあるとすれば、アルスとリースと一緒に戦えないってことだけね」
「大丈夫。僕も歳を取った。神様達との戦いには参加しないよ。だいたい数千年後に起こる戦いみたいだからね」
「私は知ってたよ。アルスの特殊スキル。もちろんレイラもね」
「そうか。気づいてたのか」
「ふふふっ。アルスの今の顔は昔見たオルスと同じだよ。70歳くらいから、アルスは歳を取ってないよね。それが、アルスの特殊スキル。アルス、ウルス、カルス、オルス、バルス、ブルス、ボルス。全てアルスだよね」
「正解。バレてないと思ってたんだけどね」
「ふふふっ。アルス、これだけは覚えて置いてね」
「何をだい?」
「私は必ず駆けつける」
「え?」
「きっと先に逝ったレイラもね」
「イリス?」
「アルス。大好き」
「イリス? イリス? イリス?」
レイラの冒険が終わり、イリスの冒険も終わった。
そして、アルスの冒険もこの日で終わり、3人は伝説となる。
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