14話 導く者達
「ダンジョンは下層に降りるまでが面倒よね」
「ダンジョンに慣れるためには必要なことですよ」
「だね。このダンジョンは森に出る魔物が多いね。森に出る魔物の特徴を上層階層の弱い魔物との戦闘で慣れるんだよ」
「ふん。私には必要ないわよ。でも、戦闘は私に任せなさい」
「ふふふっ。お願いね、イリスちゃん」
「任せたよ、イリス」
イリスにはまだまだ実戦経験が足りない。
強くなりたいのなら、なるべく多くの種類の魔物と戦闘を繰り返さないとね。
イリスは口では魔物が弱すぎると愚痴りながらも、自身の実戦経験の少なさを理解しているのか、1人で魔物との戦闘を続けている。
レイラは暇があると、いきなり僕に斬りかかってくるのだが、魔力刃を完璧に使える時と、剣に魔力を纏わせることも苦労している時がある。レイラ自身にも、どうしてなのか理解出来ていないようだが、それでも、少しづつ、少しづつ上達している。どちらにしても、無能な僕よりも上達が圧倒的に速い。
イリスとレイラなら、無能な僕にすぐに追いつくことが出来るだろう。
そうなれば、3人で助け合いながら、強敵と。
よし、僕も2人にすぐに追いつかれないために、努力しないとね。
ん? 今、誰かの声が聞こえたような?
イリスとレイラの声ではない声。
周りには誰もいない。
でも確かに聞こえた。
ならば、神力を使いこなせと。
僕には神力が何なのか分からなかった。
しかし、僕の身体の中から感じる力。
魔力とは違う力。
今までに感じたことのない力。
なぜ、いきなり感じることが出来た?
僕が成長したから?
この力を使いこなす? でも、どうやって?
ん? やはり、声が。
魔力を操る感覚と同じだと。
誰かが、僕に教えてくれているのか?
でも、いったい……誰が?
何者かに導かれていくイリス。
何者かに導かれていくレイラ。
何者かに導かれていく僕。
強く成長していくイリス。
強く成長していくレイラ。
強く成長していく僕。
僕達はダンジョンを降りて行く。
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