【プロローグ(神)】強き魂を持つ子と私







私はこの強き魂を持つ子の中で眠りについた。


はずだった。






深き眠りについたはずの私に強き魂を持つ子の感情が響き渡る。


イリスは可愛い。


イリスの笑顔は可愛い。


可愛い。


可愛い。


幸せそうな感情が私に流れ込んで来る。


イリス。


イリス。


イリス。


幸せそうな感情が私に流れ込んで来る。


これは愛? これが愛?


愛情とはこれほど強い感情なのですか。


強き魂を持つ子から強い自信を感じる。


愛を受け取り、強い自信を得て、強い力となる。


それが愛?


愛することで、愛される。


更に愛することで、更に愛される。


愛されることは自信となり、力となる。


満たされていく強き魂を持つ子。


そして、なぜか私の心も満たされていく。


まるで、私の心からも、強い力が溢れて来るような感じがする。


私は私が生み出した子達を愛していたが、この強き魂を持つ子から流れてくる愛とは何かが違う。


それは何なのか?


それは与え与えられる愛?


それは与え与えられる自信?


それは与え与えられる力?


私も……強くなっている?


私は……強くなっている?



















ダンジョンに入って行く強き魂を持つ子。


この気配は赤竜? 私が倒したはずなのに、復活してしまったのですか。神竜に7竜。厄介な敵。おそらく私を倒すために、力を蓄えているのでしょう。彼等が勘違いしたまま、何も行動しなければよいのですが。

















この子は本当に強いのですね。


ドラゴンを相手にしても、危なげなくない。勝利は確実でしょう。……そうだ、ここは神竜が作り出したダンジョン。私を倒すために用意している武具を逆に……。


私は密かにスキルを使用した。


【ステータス調整】


ドラゴンのHPが0になる前の一瞬だけ、この強き魂を持つ子の全ステータスを最小まで下げ、運だけを最大まで上昇させた。





出現した宝箱。


中身は指輪だった。


指輪からは神竜の強い神力を感じる。




この指輪は……!! ふふふっ、神竜が他の神達から力を掠め取るために作り出した神具ですね。いきなり、良い物が出ました。これも、強き魂を持つこの子の運なのでしょう。







この子は強くなる。


私と一緒に。















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