8話 118階層






アルス

年齢5

レベル84

職業→剣士



僕は110階層まで辿り着いたのだが、まだ5歳の年齢でも戦えていた。


僕は宝箱を開けた。


小さな身体での戦いにも慣れてきたのもあるが、やはりSSS級の武具の力だろうか。


SSS級の土魔剣を手に取る。


新ダンジョンは等級の高いアイテムが入った宝箱や等級の高い魔鉱石や魔法石が多いのだが、このダンジョンでも105階層を越えてからは新ダンジョン並みに等級が上がった。


誰もたどり着けてないからなのか、攻略が進んでないダンジョンなら、新ダンジョンと変わらないってことなんだろうね。


















118階層に降りると、すぐに危険な魔物と遭遇。


神魔狼という素早い魔物で、群れで行動していることが多い……が今回は1匹だけ。


1匹なら、このままでも勝てるかな?


僕は下段に構えている剣に魔力を纏わせた。


僕に気づいた神魔狼は僕の方へと真っ直ぐに向かってくる。


その速度は速いが、目で追えない程ではない。


僕は神魔狼の速度を計算に入れ、剣を振り上げる。


神魔狼は僕の剣での攻撃範囲を一瞬で理解し、少しだけ速度を落とす。


それは僕の狙い通りだった。


このまま振り上げると攻撃は神魔狼には当たらない。


なので魔力刃を放つ。


神魔狼には僕の剣が伸びたように感じただろう。


当たらないと思っていた攻撃が当たる。


無防備な神魔狼に。魔力刃は下から上へと、神魔狼の胸を斬り裂いた。


だが、致命傷とまではならない。


神魔狼は一旦動きを止めたのだが、すぐに僕へと。


もちろん僕も動きを止めた訳ではない。


振り上げた剣を神魔狼目掛けて振り下ろす。


神魔狼は僕の剣が危険だと判断し、真横にジャンプ。


僕の剣は空を斬る。


この攻撃で止めを刺したかったのだが、神魔狼との距離が開き、お互いの攻撃可能範囲外の位置に。


動かない神魔狼。僕の攻撃を警戒しているのか、それとも仲間を呼ぶのか迷っているのか。


僕は神魔狼を挑発するために、剣を振り、地面の砂埃を神魔狼の方へと飛ばす。


神魔狼はそれでも動かなかった。複数の小石が神魔狼に当たったのだが。


僕は一歩前へと進み、再び地面の砂埃を飛ばす。


それでも神魔狼は動かない。


僕の与えたダメージが効いているからなのか?


僕がもう一歩前に出ると、ようやく神魔狼が動きを見せる。その場からは動いていないのだが、僕の方へと今すぐにでも走り出そうとしているのが分かる。


僕は何か違和感を感じた。


神魔狼は何かを狙っているのか? 攻撃のタイミングを? 僕が近づくのを? いや、何か違う。


僕は次の瞬間、対峙している神魔狼の目に力が入ったように感じた。


何かしてくるのか? 何を?


神魔狼は動き出す。僕の方へと。


そうか。待っていたのか。


僕は慌ててステータス調整を。


アルス

年齢5

レベル84

職業→剣士



アルス

年齢70

レベル149

職業→剣士




レベルが上がったことで、察知能力も上がった僕は後ろから向かって来た神魔狼を振り向きもせずに剣を振り、一撃で倒す。そして僕の注意を引く為に正面から向かって来た神魔狼もなんなく一撃で倒すことが出来た。


神魔狼は待っていたのだ。叫ばずとも、仲間が来るのを。僕の背後から僕を襲わせるために。


はぁ~。これ以上先はリスクが高すぎるかな?


年齢を下げたまま戦っていれば僕は負けていただろう。


ここから先は更に危険が増える。


僕はレベル上げを諦めて進むことにした。



オルス

年齢70

レベル149

職業→剣士














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