2話 レベル上げ
この街の近くに出る魔物で1番強いオークは、レベル10以上の冒険者が戦う魔物で、僕には弱すぎる魔物。
アルス
年齢15
レベル30
職業→剣士
装備→なし
レベル31になるための必要経験値は10000。
オークの経験値が10なので1000匹も倒さなければならない。
しかし
アルス
年齢5
レベル20
職業→剣士
装備→なし
レベル20に変更すればレベル21になるための必要経験値は3000で済む。
年齢は5歳までしか下げられないのか。体格的に剣を振れるギリギリの年齢なのかな?
子供の身体でもレベル20の力があれば問題なく剣を振れる。
出来れば経験値50を得ることが出来る黒魔狼と戦いたいのだが、冒険者ランクEではダンジョンにも魔森にも入ることが出来ない。
冒険者ランクがDになるとダンジョンに入ることが出来、そして冒険者ランクがCになると魔森に入ることが出来るようになる。
僕はお金には困ってないので、冒険者ランクがEでも生活するには何も問題がないのだが……少し刺激が足りない。
冒険者ランクDになる条件は冒険者ランクEになってから2年以上経過していること。そして冒険者ギルドの試験官と模擬戦をして認められること。ギルドポイントだけでは冒険者ランクをDになることが出来ないのだ。
まあ、仕方ないか。
魔森の手前にある砦の兵士が僕に近づいて来る。
「身分証の提示をお願いします」
僕がギルドカードを提示する。
「確認お願いします」
「あっ。失礼しました」
兵士は僕に頭を下げ、道を譲ってくれた。
僕が魔森に入ると、運が良い事にすぐに黒魔狼の鳴き声が聞こえて来た。
よし。近くにいるようだね。
僕は探す手前を省くために叫ぶ。
「出て来い。黒魔狼~。僕が相手してやるぞ~」
魔物は人を襲う習性があるので、これで向こうから来てくれるだろう。
おっと。そろそろ変更しておかないとね。
オルス
年齢70
レベル85
職業→剣士
アルス
年齢5
レベル20
職業→剣士
空間収納の指輪の中から子供サイズの鎧と盾を取出し準備完了。
これでよし。
年齢を最大まで下げてレベルを20に。このレベルなら魔黒狼を60匹倒せばレベルが21に上げることが出来る。
魔森の奥へと3分程進むと魔黒魔が向かってくるのが見えた。
1匹。いや3匹かな?
魔黒魔が僕の正面から向かってくる。更に僕に気づかれないようにと左右にも1匹づつ。
僕は左右の魔黒狼を気にせずに前に出る。
魔黒魔はレベル20の冒険者には厳しい魔物。しかし、僕は魔黒狼の攻撃パターンを熟知している。レベルが下がっても、これまで魔物と戦って来た経験と知識を忘れてしまうわけではないのだ。
剣を左斜め下に構えれば、魔黒狼は右へとジャンプしてから僕に飛びついてくるだろう。
よし。予想通り。
魔黒狼の動きを読み切っていた僕は魔黒狼の動きに合わせて剣を振り上げ、魔黒狼の首に斬りつけた。
一撃で魔黒狼を倒した僕はすぐに右斜め前へと走る。挟み撃ちされても倒せると思うのだが、確実に1匹づつ相手にした方がいいだろう。
走る僕のすぐ後ろまで魔黒魔が近づいて来たのが分かったので、僕は前方に見えた太い木まで全力で走り、太い木の後ろへと周り込む。
さあ、どっちから来るかな?
僕は音に集中する。
そこだ。
足音が聞こえた右へと前方へと剣を構えて踏み込んだ。僕の目の前に現れた横を向いている魔黒狼。僕はそのまま魔黒魔の横腹に剣を突き刺した。
よし。残り1匹。レベルが下がっても、余裕だね。
「仲間を呼んだ方がいいよ。僕に勝てないのは分かってるんだろ」
僕は大きな声で魔黒狼を挑発した。
もちろん僕の言葉を理解出来ないだろうが、今の戦いを見れば僕との実力差に気づいてくれただろう。
「ウオオォオ~~~~」
僕の期待通りに叫んで仲間を呼んでくれた魔黒狼。
僕は魔黒狼が増えても1匹だけ残して倒し、経験値を稼ぎ続けた。
調子に乗り過ぎたのか夕方までには僕のレベルは23まで上がっていた。
今日はここまでにしようかな。
オルス
年齢70
レベル88
職業→剣士
僕は装備を変更し、仮面を付けてから魔森の入口へと向かった。
魔黒狼? 襲われてるのか?
魔森の入口にある砦を20匹くらいの魔黒狼が囲んでいるのだが。
僕は特に気にすることなく砦に近づいて行った。
向かって来た魔黒狼。
それをサクサクっと倒すレベル88の僕。
今の僕には弱すぎてツマラナイ魔物だ。
砦の中に入ると兵士さん以外にも怪我をした5人の冒険者がいた。魔黒狼の群れに追われて逃げ込んで来たようだ。
兵士さんや冒険者に何度も何度もお礼を言われたのだが、「気にするな」と1言だけ言って格好良く立ち去る僕。
アルス
年齢15
レベル33
職業→剣士
街に戻った僕はイリスと合流し、楽しい夜を過ごす。
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