Mission 006 情報屋稼業と生徒会を結ぶもの。


 ――それは、学園の平和を願う心。マシーンではない人の心。


 校則の網を潜って蔓延る『いじめ』などの問題を、情報を集めて先生に逐一密告。その証拠などは生徒会に提出する……そのための、僕らは雇われたエージェント。


 エージェントだけに『処理』も兼ねる。


 僕らが訓練してきた人間離れするほど……その身体能力を活かせるお仕事。そのルールは簡単? 必ず処理(始末)すること。相手は手加減なしでも、どの様な状況にあっても殺人は過分を犯すに値する。――だからこそ、ルールは厳守だ。


 噛み砕き、解読を重ねて、

 考え抜いた結果、『相手の自由を奪って生徒会に届ける』ということで定着した。


 校則違反が必至な裏の稼業だけれども、

 ……あの組織よりも、遥かに温かい場所。それが証拠に今から案内される場所は、表の世界でも通用しそうな、そんな先輩たちの集い。心優しい生徒会の面々……


 美路みちが紹介してくれた。


 学園内の案内も兼ねて。その場所は、食堂がほぼ隣接している知新館という建物。そこで繰り広げられている人間模様は、まさにレボリューション的な印象で……


 あの双子に出会うことが叶った。ボブで鏡を見るような瓜二つ。僕と千歳ちとせと同じように『星』の名字を持つ星野ほしのシスターズ。僕の憧れの姉妹。お近づきとなれて夢みたい。


「よろしくね」……と、握手をしてくれた。


 梨花りかさんも千佳ちかさんも。僕と千歳にも笑みを浮かべて和やかな、平和の象徴とも。


 そして、美路は告げる。


 僕らのリーダーとなる、その人物。何だか、この中では個性が強そうな……「強いのは個性だけじゃないぞ。お前たちにも引けを取らず、いや、引っ張っていける人材だ」


 目の当たりにした、その人物は長い髪に、目力が半端なく強く、

結城ゆうきりんだよ。よろしくだよ、お二人さん」と、声も高らかに名乗りを上げたのだ。



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